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「アヤ。」
アヤ「ジミン君、久しぶり。」
「うん、久しぶり。」
アヤ「今日はテテちゃんいないの?」
「うん、今日は仕事だってさ。」
アヤ「凄いね。」
「うん。」
出会って1分。早々に終わる会話。
高校時代、一緒に笑って、一緒に泣いて。
親友と呼べる関係を壊さないように必死だった僕に、君は気付いていなかっただろう。
「おしゃれなお店を見つけたんだけど、今度一緒に行かない?」
アヤ「ジミン君、」
「深く、考えないで。」
アヤ「っ、」
否定しないでほしかった。
多くは望まない。
だけど、拒否されるのは苦しい。辛い。
「僕はただ、アヤの親友に戻りたいだけ。
いつまでも無理して笑ってほしくない。」
アヤ「ジミン君、」
高校一年のとき、一年間かけて君を好きになった。
テヒョンとアヤと僕。
何をするにも一緒にいて、たくさん笑って。
アヤが好きで、大好きで、付き合いたいと何度も思ったけれど。
君はきっとそれを望んでいなかったから。
親友のまま。変化を求めなかったから。
だから、気付けば君は違う誰かに恋をしていた。
「…まだ、忘れられない?」
アヤ「やめてよ。」
頬を赤らめて、他の子と話しているその男を見ては落ち込んで。
会話をするたび幸せそうに笑って。
隣で見ているのは苦しかった、なんて。
きっと君は知らない。
「アヤが泣きそうなの、僕は嫌だよ。」
アヤ「…泣いてなんか、」
「隠さないでよ。僕たち…親友じゃん。」
笑っててほしい。
僕が大好きなその笑顔をもう一度見たい。
アヤ「ジミン君は意地悪だね。」
諦めたように笑ったアヤ。
「僕が、忘れさせてあげるよ。」
アヤ「ホント…意地悪。」
困ったように眉を下げた君の手を取る。
世界がほんの少し、明るくなった気がした。
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作者名:あやテテ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ayatae00/
作成日時:2021年10月3日 0時