59 TH ページ9
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「噂には、……聞いております、」
「そうか。詳しく知りたいか」
「……、」
BH「オーナー、テヒョンの失敗は全て俺の責任です。テヒョンには俺から強く強く言っておりますし、今後も充分に注意していきます。」
ヒョンが俺をその背に庇うように俺の前に立つ。俺よりも背は低いはずなのに、その背中が大きく見えるのは、…俺がずっとこの人の背中を見て育って来たからだろう。
「別に私はテヒョンをどうこうしようとは思っていないさ。ただ、お前がどんな仕事をしているのか教えようと思っているだけだよ」
BH「…お言葉ですが、それをテヒョンに伝える必要はないかと」
「そうかな。自分のせいで上司がどんな目に遭っているのか知れば、先日のような失態は二度と侵さないと思うのだがね」
BH「既に、彼は充分反省しております」
仕事内容を俺には教えまいと必死なヒョン。オーナーはその様子を面白そうに笑ってみている。
「お前がそこまで私に歯向かうとはね」
BH「どうか、…どうか今回のところは勘弁してください」
俺の目の前で深く頭を下げるヒョンにいつもの威厳などない。
店を取り仕切るオーナーの右腕でも、皆に恐れられる支配人でもなく、その姿は何も持ちえないただの1人の青年だった。
「…」
何も言わずにじっとその様子を見ていたオーナーは再び薄く笑って一言口にする
「足りないなぁ。」
その言葉に、ベッキョニヒョンの肩が小さく揺れたのを見た。
頭を上げたヒョンが何の感情も込めずに淡々と応える。
BH「もちろん、何でもしますよ」
「っ、ベッキョニヒョン…！」
「そうか、では部屋へ戻ろう。君ももう下がりなさい」
「待ってください！ベッキョニヒョン！」
BH「お前今日はもう上がるようジンに言うから」
「待って、ヒョン！」
たった今、ベッキョニヒョンがまた俺をかばったことが分かった。
何でもします、というヒョンのその言葉の意味を察せられないほど俺はこの世界を知らないわけじゃない。
「俺の責任です、ベッキョニヒョンのしている仕事は、俺が…、俺が代わります！！」
BH「っ、馬鹿…」
無意識に出たその言葉にオーナーは足を止めた。振り返ったオーナーは笑って俺に言う。
「君には耐えられないだろう」
体が強張った。
BH「さっさと帰れ」
「けどっ、」
BH「帰れ」
「ヒョン、」
BH「オウジサマが踏み込んで良い世界じゃねーんだよ」
俺をこんなに荒んだ世界に引き込んだのはヒョンなのに、
それでも彼は、その先の地獄を俺に隠した。
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あやテテ(プロフ) - 玲さん» こちらこそ引き続き読んで下さり嬉しいです！テテペンとしましては最上級の誉め言葉です、、恐縮です…。嬉しいお言葉ありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします！ (3月23日 19時) (
レス) id: df40273254 (このIDを非表示/違反報告)
玲(プロフ) - また更新してくれて嬉しいです。あやテテさんの描くテヒョン、本当に素敵だなぁと思います。いつも楽しみにしてます。 (3月22日 21時) (レス) id: 268f4047d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あやテテ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ayatae00/
作成日時：2024年3月17日 16時
