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-アヤ-
『Magic Shop』と書かれた看板をじっと見つめる。
漆黒のその扉が私を見下ろしていた。
ドキドキと不安と期待で暴れる心臓。
1つ深呼吸をしたそのとき、その漆黒の入り口が音を立てて開いた。
BH「あれ、いらっしゃ〜い。」
「どうも…。」
BH「また来てくれたんだ?」
「…はい。」
BH「もう開店してるから入りなよ。」
「はい。」
ベッキョンさんの後ろをついていくと、まだ少し早い時間だからかお客さんはそこまでいない。
Vさん…テヒョンさんはいるかなときょろきょろしていると、どうぞ、とベッキョンさんが大きなソファーにどうぞと座らせてもらった。
BH「ちなみに今日はチケットじゃなくて…?」
「あ、はい。今日はその…自腹で。カードでも支払いは可能ですか?」
BH「もちろん大丈夫。今日はどんな男にする?」
「あの……テヒョンさんを、」
BH「あー…」
テヒョンさんの名前を出すと、ベッキョンさんは少し困ったように私から目を逸らす。
そして、申し訳なさそうに笑った。
BH「ごめん、Vはもうすでに今日は予約でいっぱいで…。」
「え…。」
BH「ごめんね、あいつ人気ナンバー1だから…。」
「…。」
そうだった。忘れていたわけじゃないけれど…。
考えてみれば当たり前だ。一番人気だと言われていたのだからパッと今日来てすぐに相手をしてくれるような…そんなことは無理な話。
BH「ほかの男にする?今日はやめとく?」
「あの、…」
BH「ん?」
「予約って…。」
BH「あー予約は、ここのクラブの会員限定でできるの。」
「会員…。」
BH「会員様限定のシステムなんだ。」
「そう、ですか。」
いちいち聞かなくても何となく分かる。
その会員に入るのも、会員でい続けるのも、きっと信じられないくらいお金が必要なのだと。
そしてただの大学生である私がそんなところに入会できるはずがないのだということも。
BH「どうする?」
「…今日は、帰ります。」
BH「そっか。良かったらまた来てね。」
「はい。」
出口まで案内してくれるベッキョンさんの後ろをついていく。
ちょうどそのときにお店の扉が開いて、中年の女性が来店した。
BH「ソンミヌナ、いらっしゃいませ。」
『あら、ベクちゃんじゃない?元気にしてる?』
BH「はーい、相変わらず超元気でーす。ヌナは今日も綺麗だね。」
『ふふ。また私の相手もしてよね?』
BH「もちろん!あとで一緒に飲みましょ。」
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あやテテ(プロフ) - PEKOさん» こちらこそです!嬉しいです〜!楽しんで頂けますように…。コメントありがとうございました😊 (9月27日 22時) (レス) id: 04319824fe (このIDを非表示/違反報告)
PEKO(プロフ) - あやテテさん、Twitter承認ありがとうございました🙏ゆっくり作品読ませて頂きます☺ (9月25日 20時) (レス) id: a1a5155f7e (このIDを非表示/違反報告)
あやテテ(プロフ) - 名無し45051号さん» 初めまして!中々お話進まず申し訳ないですが、そう言って貰えて大変嬉しいです!今後ともよろしくお願いします。コメントありがとうございました!! (9月15日 22時) (レス) id: 04319824fe (このIDを非表示/違反報告)
名無し45051号(プロフ) - 初めまして初見の者です!このお話めちゃ好きです気長な更新まってます! (9月15日 2時) (レス) @page42 id: c85ed3ec08 (このIDを非表示/違反報告)
あやテテ(プロフ) - murasakiさん» 中々更新できずにごめんなさい!またゆっくりと頑張っていきます。よろしくお願いします!コメントありがとうございました。 (2022年12月27日 23時) (レス) id: df40273254 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あやテテ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ayatae00/
作成日時:2022年9月24日 22時