砂糖ここのつめ。 ページ10
結局、何かが変わることもなく、花火大会当日。
結構早めから浴衣の着付けをしながら、少し悪戦苦闘。
それでもやっと着終わって、髪も結い上げ、簪をつける。
鏡を見て確認しながら、結構我ながらうまく出来た気がする。気がするだけじゃないはずや!!
巾着を持って、家を出る。外は夕方で日が沈み始めている。がやがやと花火大会に向かう人で一杯で、周りを見回しながら、ついていく。
からん、と下駄が鳴る。
人々の話し声、どこか自分だけ取り残されたような、そんな感じ。
...実際カップル多いし。
まぁ、ぼっち参戦してもええやろ。と考えながら歩く。
屋台が立ち並んでいて、なにか食べようかなー、と見ていく。
ベビーカステラ、林檎飴、綿あめ、玉子せんべいや焼きそばなどなど。
いい香りが漂ってくる。しかし、近くにベビーカステラの店があったのでそこにしよう、と歩み寄って、代金を支払う。
一袋買って、口に運んだ。
美味しい、普通に。祭りで食べると、なんか違う感じあるわー。
そのまま人に流されるように歩いていけば、開けた場所に来て。どうやら、ここで花火が見れるらしく、人が場所取りなどをしていた。
ま、私は一人やし適当に見るか、と考えながら、きょろきょろと見回す。
ふと、視界に入った男子。
祭り、来てたんやなー、なんて考えながら見つめていると、どうやら気がついたらしく手を振られたので振り返す。
そのまま駆け寄ってきて、
「 よー、(名前)。一人なん?」
と声を掛けられた。一人なんって、まぁ、見たらわかるくない?と苦笑してみる。
「えー?そうかぁ?迷子にでもなったんかと思ったわ。因みに俺、迷子。」
と真顔で告げるもんだから、返事に困る。
「 せやから、一緒に回らへん?」
1人より2人の方が楽しいやろ?と言う相手に、まぁたしかにな?と頷いてみたり。
「 ほな、しゃーなしで行ったるわ、」
と頷いて。ん、決まりやで、と歩きだした相手の後ろを歩いて行く。
もぐもぐとベビーカステラを食べながら歩いて行く。行きたい所は?と問い掛けられたが、別に無い、と答える。
「んなら、後で、なんか対決でもするか?金魚すくいとか。」
「 ... 子供なん?...別にいいけど。」
対決、と聞くと燃えて来た。絶対勝つ!なんて宣言してみたり。
「 おー、俺も負けへんわ!」
会話をしながら、歩いて行く。
...前方、不注意だった。
どん、っと誰かにぶつかり、謝る。
ゆっくり、誰にぶつかったのかと顔を上げた。
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作者名:あやせ | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/home
作成日時:2017年8月5日 1時