砂糖むっつめ。 ページ7
「 あのさぁ、ついてきても何もないで？」
何度目かの注意。
「 分かってるって。暇やからついて行くだけや 」
と眉を寄せながら息を吐く姿に本当に、と少し怪しみたくなる。
でも、そう言うなら私も気使わんでいいし、ついてくるぐらいなら、と息を吐いて歩き出す。
まさかこうなるとはな、と考えながら歩いていく。ショッピングモールは結構近いから、すぐ着く。
まぁでもその分、行くまでがめっちゃ暑いけど。ぱたぱたと手を動かしながら、汗を拭う。
「 あっついわー ... ほんま、平次と和葉のラブラブパワーかよ 」
うぜー、と後ろでぶつくさ言うのを半分無視しながら歩く。夏やからやろ。と眉を寄せながらそれを言うのも面倒で。
「 ンなわけないわ。あほ。」
と悪態をついてやった。そんな人の力で天候左右できたらすごいっつーの。と馬鹿にするように笑ってみたり。
はぁ！？と不満げなのは無視。ショッピングモールに足を踏み入れる。
うわ、めっちゃ涼しい。エアコン偉大。
やっぱり人多いなー、と見回しながら、何処から行くか。と案内板を見る。
服とか見ようかな、あと雑貨。と考えながら歩き出す。
...ふと、視界の端に見えた着物を着たマネキン。
あの浴衣、綺麗やなぁ。と呟く。
「 (名前)に似合うかぁ？自分に似合うのんしとけよ 」
と言ってくるので睨みつけておいた。似合う似合わない、じゃなくて綺麗なもんは綺麗やねん、と眉を寄せる。
...あぁでも、こういうのは和葉似合いそうやなぁ。と想像してみた。
平次に浴衣褒められて照れている姿が浮かんできた。そこまで想像せんでええわ。想像力豊かすぎやろ。
でも、何でも似合うからええなぁ、と目を細める。
よし、変更。先ず、浴衣見に行く！
近くの売り場に足を運ぶ。色とりどりの浴衣や帯、柄。凄、と呟きながら見回す。
「 可愛いし綺麗やし...凄いな 」
数回しか着るチャンスがない、からこそ綺麗にして行きたいのはある。
気になるものを手に取りながら見つめる。
白ベースに、桃色、橙色、赤色等、明るい色の花模様の浴衣。
これ、可愛い。これにしよう！と決める。
結構、直感で決めてもええやんな？
誰に見せるわけでもないし。褒めてくれる彼氏がおるわけでもないし！ええねん、自己満で。
そう考えると、結構憂鬱だった花火大会が俄然楽しみになってきた。
ふと後ろを向くと、興味無さげなクラスメイト。
...割と真剣になんでついてきたん。と思えるが口には出さなかった。
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作者名：あやせ | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/home
作成日時：2017年8月5日 1時
