砂糖よっつめ。 ページ5
流石に、学校のゴミ箱に捨てたりするのは気が引けた。だって、他の人に見られる可能性がある上に何だか申し訳なくなってくる。
かと言って自分で食べるのかと言えばそれはそれで虚しくなる。
...もー、虚しくなってもいいから自分で食べよ、とバックに詰めて。
何度目かのため息をつく。あげられたら良かったんやけど、和葉にも悪いし...
もんもんと考えながらも、無慈悲に時間はたって、放課後。
2人が付き合う前までは3人で帰ってたなー、なんて考えながら靴を履き変え、昇降口を出る。
じりじりと焦がすように照らし付けてくる日差しに、手で遮りながら歩く。
「 あっつ... 」
そんなに暑くならんでええから、ちょっとだけ涼しくなってや!と、叶わない事を願いながら歩く。
...ふと、目に入った花火大会のポスター。あぁ、そっか。もうすぐ夏休み何だ、と言う事を思い知らされたり。
友達は彼氏とやし、誰と回ろうかなぁ...ぼっち参戦でもしてみる?と考えながら、重い足をずるずる引き摺って帰る。
...考えんでも、和葉も平次も2人で回るやろうしなぁ。
彼氏が出来たら、ちょっとでもこの想いは変わるんやろーか、なんて心臓あたりに手を置く。
...こんなことしても、意味無いけど。
現実の恋は、少女漫画みたいに必ずしもハッピーエンドって訳じゃない。
ヒロインが振られても、結局は他のキャラと良い方向に進んだりする。
そんな事、ある筈、ないんやろーな、と青空を見上げた。
運命とか、あったとして。
あの2人が運命の相手だとして、己はそのキューピットになるか壊す悪魔になるか。
そんなもん、答えは決まっとる。
...キューピットに、なる。
付き合えんくても、この想いは叶わんくても、仲良くする術を無くすのは、喋られなく、なってしまうのは嫌だった。
私なんかがキューピットになれるんか?そんなもんは知らんけど、悪魔よりは良い、筈。
まぁ、そんな事言うてもいつ悪魔になってしまうか分からん。
私と和葉、どっちが先に好きになったとか関係無く、平次が選んだのは和葉何やから、何にも言われへんし。
家につけば、ただいま。と呟くもまぁ当然のように返事をしてくれる人なんて居なくて。
一人暮らしみたいなもん。学費とかは全部親が支払ってくれてるけど。2人ともめっちゃ忙しそうやし、電話で話できるし、寂しくはないけど。
暫くぼーっとしていると、メールの受信音が鳴った。
... 噂をすれば、和葉、からやん。
ゆっくり、メールを開いた。
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作者名:あやせ | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/home
作成日時:2017年8月5日 1時