【名探偵コナン】珈琲と砂糖とミルク【服部平次】 (ページ37)

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砂糖にじゅうきゅうこめ/珈琲ななはいめ。ページ37

「ごめん ... 」

「何謝っとんねん、それが(名前)の選んだことなんやから、怒りも何もせぇへんわ。」

な？とくしゃり、と頭を撫でられた。

その笑は、寂しそうな笑で、ずきずきと心が痛む。

謝らずには、いらへんかった。

ありがとう、と精一杯の笑みで告げる。

「おう。服部と、ちゃんと話して来いよ？」

後悔、せーへんように。

その言葉にこくり、と頷く。

背中、押してくれた。

それを無駄になんか、したくなかった。

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和葉、と書かれた連絡先。

掛けようとしてやめる。こーゆーんは、ちゃんと向き合って話そう、と。

また駆け出して、和葉の家に向かう。

やっと、ついた、と息を乱してインターホンを鳴らす。

ばくばくと煩い鼓動の音に眉を寄せながら、落ち着けや、と言い聞かせる。

ゆっくりと扉が開いたのを見て、話し掛けようとする。

やのに、言葉が喉に突っ掛かって出てこーへん。

はよ、言えや。

「平次、どーしたん？そんな息切らして ... 」

ていうか、(名前)、大丈夫なん？と首をかしげてくる姿に、眉を寄せる。言えなくなりそうで。

「あん、な ... 話があんねん、」

「話？え、なになに？」

「あのな ... (名前)の事なんやけどな ... 」

その言葉は、言いかけて遮られた。

和葉の言葉によって。

「 ... 言いたい事は分かった。(名前)の事、好きなんやろ？気付いとったわ ... 」

眉を下げながら、目線を落として笑う姿に胸が締め付けられるような感覚。

「何時から、知っとったんや？...俺、言うた覚え、あらへんで？」

「 ...阿呆やなぁ ... ほんま、こーゆー所は鈍すぎるんやから！これでも彼女やったんやで？気付くわ！」

ほんまに、もう。と呆れたように告げられれば目を見開く。

気づいとったんか ... なら、余計、苦しい思いをさせとったはず。

「ほんま、すまんな ... 、振り回しとったわ。」

眉を寄せ、謝罪する。こんなんで、足りへんとは思うけど。

「謝らんでええよ、別に。それに、(名前)に言いに行くんやろ？ちゃんと話したりや。泣かせたら、私とクラスメイトが許さへんで？」

分かった？と眉を寄せる姿に頷いた。

絶対、泣かせたりせぇへんわ。これ以上、苦しめることも。

誓う。

「ほな、はよ行ったり？待ってるで、(名前)。」

こくり、と頷いて、踵を返して走り出す。

やっと、わかったんやから。

もう、逃げへんわ。