珈琲ろっぱいめ。 ページ35
逮捕された後、事情聴取のためと呼ばれた。
その時の経緯などを詳しく話して、やっと出てきた時には、夕暮れ時。
未だに少し怯えている(名前)が、視界の隅に見えた。
不満そうに、不機嫌そうにしているクラスメイトに、彼氏なんやから、はよ行ったりや、なんて声を掛けた 。
しかし、眉を寄せて、こちらを睨むように見てきた相手は、
「 お前、何抜かしとんねん ... ええ加減にせえよ、分かったんやろ ? 何時迄も、逃げとったらあかんねやぞ ... お前が、一番、行ったるべきとちゃうんか ? 」
なぁ、とこちらに問いかけてくるのについ目を逸らしてしまった。
逃げとったらあかんって、目ぇ逸らしたらあかんって、分かっとる。
...分かっとる、でも、
「 遅すぎたんや... 今、気づいたところで、遅かったんや、」
なんて、言い訳にしか過ぎんけど。
「 阿呆 ... やってもないのにわかる訳あらへんやろ、このままやっても、遠山も、(名前)も傷付けて、何もならん 。」
確実に後悔する
その言葉に眉を寄せ、頷く。
「 でも、お前はええんか?(名前)と結ばれたんやぞ?」
「 そんなもん、好きな人が苦しむよりよっぽどええわ。そんだけ、大切なんや。」
腕を組み、こちらを観る相手の目は嘘なんて感じられへんかった。
ああ、と頷いて、(名前)に駆け寄る。
びくっ、と方を揺らしてこちらを見つめてきたその瞳に、怯みそうになってしもうた。
「 なぁ、(名前)、聞いてほしい。」
俺が、言えることやないけど。
「 お前が、大切なんや。やっと、気付いた、金輪際、関わらんとも言うた。都合のええ事を、って思われてもしゃーないのは分かっとる ... 」
もし、少しだけ、自惚れてもええんやったら、
少しだけ、俺にチャンスをくれるんやったら、
「 ちょっとだけ、待っとってくれへんか ... 」
きちんと伝えたかった。
和葉のことを有耶無耶になんかしたくなかった。
好きだった、間違いなかった。
ただ、今、好きな人に伝える前に、前に好きだった人に謝らなければ。
誰かを傷つけたまま終わりになんかしたくなかった。
相手が唖然とし、しかし、ゆっくりと頷いたのを見て、ありがとう、と告げる。
その場をゆっくりと駆け出した。
話すために、謝るために、ありがとうと伝える為に。
感謝を伝えなあかん。
ぐちゃぐちゃで終わりになんか、したらあかん。
ちゃんと1個ずつ、解決せな。
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作者名:あやせ | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/home
作成日時:2017年8月5日 1時