砂糖にじゅうろっこめ。 ページ31
「 うわー、めっちゃ緊張するわ ... 」
心臓がばくばくいってうるさい。
しかし同時に、楽しみでもあって。
登っている時は、まだ、まし。まだまだ余裕あるけど、落ちる時?下る時は、マジでやばい。語彙力無くなるレベルであかん。
「 それ、ほんま分かるわ。投げ出されたみたいな浮遊感。てか、あれ、乗ってると垂直に見える!」
そういう彼に何度も頷いて、激しく同意。
ぶわっ、って一直線に落ちていく感じが、怖すぎる。
ぎゅっ、て目ぇつぶってしまうねんな。
そうこう話しているうちに、遂に降りる所。
ほらほら、やっぱりもう先が見えへんと落ちる感じになってるんやもん!!!
でもせっかくやから、と目を開けて見た。
けど、足が竦んでしまった。
聞こえる悲鳴に余計恐怖感を煽られながら、前を見つめる。
ぐわんぐわん、揺れるみたいに変わっていく景色。
暫くして、また上る。
「めっちゃくちゃ怖いやん、これ!」
そう言うのを聞けば何度も頷く。
この浮遊感が、やばい。
しかし、無慈悲にも、というようにまた下りに近付く。
今回の下りはいっそう急で、叫び声が上がった。
ほんまに、宙に浮いてるみたいで、めっちゃ不安。
...暫くして、ジェットコースターから降りた。
ふわふわと覚束無い足元、まだまだ浮遊感があって、地面にたっている感覚が無かった。
ゆっくりとその場を離れて、ベンチに座る。
まだまだ、浮いてるみたいやわ。
「 しっかし、凄かったなぁ。並んだかい、あったわ... 」
はぁー。と息を吐くのに頷きながら、まだまだ浮遊感残っとる、と笑ってみせる。
「 せやなぁ ... まぁ、夏休みももうそろそろで終わりなんやし、今の内にめいっぱい楽しんどかなあかんな?」
にっ。と笑ってこちらを見つめてくる笑顔派とても眩しくて、目をつい逸らしてしまいそうになる。
そうやね、と相槌を打ちながらも、脳内では嫌だなぁ、と考えてしまっていた。
平次に、和葉に、会うのが、怖い。
今までの関係は、あの1日の数分で、一瞬で崩れ落ちた。
呆気なかったと己でも思う。
ま、しゃーないんやけど。と息を吐けば、
「 なぁに暗い顔しとんねん。今日ぐらい、楽しみや?」
せっかく来たんやし、という声にごめん、と眉を下げながら笑う。
「 っしゃ。ほな、全部制覇したるわ!」
ぐっ。とガッツポーズして立ち上がる。
「 おー。せや、それでこそ(名前)やわ。」
それに口角を上げ、歩き出した。
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作者名:あやせ | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/home
作成日時:2017年8月5日 1時