砂糖みっつめ。 ページ4
「 和葉は、旦那にあげるんやろー? 」
「 もー、旦那ちゃうし!」
明るい声と笑い声と照れたような声が入り混じって聞こえてくる。
...旦那なー、そっか、このまま上手く行けば夫婦なんか。歳も、あれやし、と眉を寄せる。
ぼーっ、としていたら、手元が止まっていた。
「 ちょっとー、(名前)?何、ぼっとしてん?珍しいなぁ。」
料理上手の(名前)が、と話す友人に苦笑しつつ、ごめんごめん、と謝り手を動かす。
調理実習の内容は、カップケーキとクッキー。今はそれに集中しよ、と考えつつ、手早く作って。
型どったり、型に流し入れて、オーブンに入れる。
ふわり、といい香りが漂ってくれば、ふー、と、息を吐きながら。成功やわ、と笑みを浮かべたり。
もし、2人が付き合ってなかったら、平次にも、あげられたんやろか。なんて目を細めてみたりするも、無駄なんだよなー、なんて一人苦笑。
オーブンを開け、取り出し、冷ましてラッピングを施す。
我ながら、可愛く出来たと思う。
「 流石やなぁ?昔っから料理うまいもん、(名前)。」
美味しいし、という声にはっとすればにこにこ笑っている幼馴染。
「 なぁ、私とも交換してくれへん?久しぶりに食べたいなーって。」
そう言いながら、私の、うまく出来たか分からへんけど。と照れている幼馴染を見て、断ることも無く頷く。
「 私のも保証できへんで?まだ、味見とかしてないし... 」
「 全然!はい、これ。」
会話を交わしながら、交換する。渡されたのは、カップケーキとクッキー数枚が入った袋を手渡された。
私も渡す。手元の袋を見つめながら、ありがとう、と呟いたり、。
「 クッキーいっぱいの方は旦那やろー?」
だからー!という会話を聴きながら、苦笑混じりに後片付けを始める。
...皆が終わり、教室に帰れば、わっ、と騒がしくなった教室。
中でも、付き合っているのに平次に渡してる強者もいるけど、私にそれはできないから。
「 羨ましいんやったら、目当ての人にたかりやー、」
何ていうもんだから、更に賑わう。
「 なぁー、(名前)、俺にも恵んでー、」
その声ににそちらを見る。居たのは、近くの席の男子。別に、余らせるのも、と考えれば頷いて手渡す。
... 何でか、喜ばれた気がするんやけど、たぶん気のせい。と言い聞かせれば、溜息をこぼす。
... 手元に結局残った袋は、捨てることになるんだろうな、なんて。
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作者名:あやせ | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/home
作成日時:2017年8月5日 1時