【名探偵コナン】珈琲と砂糖とミルク【服部平次】 (ページ30)

今日:14 hit、昨日:67 hit、合計:208,049 hit

砂糖にじゅうごこめ。ページ30

静かに積もる罪悪感を味わいながら、息を吐く。

その溜息は、誰かに聞かれることもなく、流されているBGMに掻き消されて、溶け込んでいった。

ぞろぞろと列が前に進んでいくのを見て、慌てて進む。

気まずかった沈黙も、順番が回れば無くなった。

乗り込んで、周りの人達のざわめきを横耳に聞きながら、ちょっとドキドキするなぁ？と話したり。

ゆっくりと動き出したアトラクションに、バーをしっかり掴みつつ、段々と地面から離れていくのを見詰める。

高所恐怖症の人やったら、結構怖いんちゃうかな、なんて考えつつも、結構景色がよくて、周りを見回す。

「きれーやな。遊園地に何があるかもわかるわ」

そう、隣の彼が呟いたのに気が付いて、こくこくと頷いて相槌を打ち、同意した。

「次、どこ行くかも考えとかなな？」

時間、勿体ないし。と笑いながら、高くなったり、低くなったりするアトラクションに、浮遊感を覚える。

浮遊感と言えば、ジェットコースターはやばい。

それに、ここのジェットコースターは凄いらしいし。

怖いって、最近クラスメイトの間で評判になってた気がするわ、と告げる。

「あー ... 俺、あの浮遊感は慣れへんわ。」

「分かる！降りた後、ふわふわしてる感覚で、変な感じやねんなぁ... 」

うんうん、と頷く。

あのなんとも言えないふわふわとした感じは、なれることが無かった。

「ま、ほな、次はジェットコースターで決まりやな。」

「せやね。ほら、あそこにある。」

高くなった時に見えたジェットコースターを指さしながら告げる。

「お。ほんまや、ほな、あそこ行くか。」

もーちょいで終わりそう、やで。と告げるのに頷いて、前を見つめる。

前の席の人も、カップルだった。

きゃっきゃ、と楽しそうに笑うのを見て、少しだけ羨ましかったり。

しかし、思考を払い落として、少し息を吐く。

金輪際、関わらない、か。

言われてしもたなぁ、

言わせてしまったんは、私やけど、間違いやないけど

好きで好きでしゃーない時に、気持ちが爆発した。

ずぅっと内緒で隠しとくはずやった、これから先も。

まぁ、今更なんやけどな？

...これ、からは、和葉と、2人で、2人が、幸せな未来を歩んでいけるように、願うだけ。

それしか、もう、出来へんから。

この気持ちは、ぽい、ってほっといたらええ。

なかったことにすればええから。

...その時、悲しそうな目をした彼に気づく事はなかった。