【名探偵コナン】珈琲と砂糖とミルク【服部平次】 (ページ29)

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砂糖にじゅうよんこめ。ページ29

入場にしてから直ぐ、色々なアトラクションが見えた。

めっちゃ楽しそうなんやけど。

「ほんで、何処から行く？」

開口一番、その問い掛け。

んー。と辺りを見回して何しよう、と考える。

「迷ってんやったら、コーヒーカップでええんとちゃうか？空いてそうやし、近い。」

少し迷った後に答えて、コーヒーカップを指さす。

「お、ええやん。めっちゃ早く回したるわ！」

にっ、と笑う相手につられて笑いながら、駆け出す。

そーやってゆってる人程、結構酔ったりすんやで？なんて冗談目化して笑う。

「酔わへん酔わへん、そんな三判器官弱ないわ！」

ほんまにー？なんて言いつつ、少しだけ並んでいる列に並ぶ。

やっぱり、すぐ入れた。

よっこらせ、と座りながら、机のような場所に手を置く。

愉快な音楽が流れて来て、スタートの合図がかかる。

「ほな、いくで？」

「ん。おっけー！」

言うや内や、ハンドルが早く回されていく。

やっ、ば、めっちゃ風感じるし早い。私が酔いそう。

ふっと相手を見ると、余裕そうな、楽しそうな笑みで回し、すげー！と声を上げていた。

ほんっま、やばい。

一瞬で視界に映る景色が変わっていく。

あ、でも、めっちゃ楽しい。

そんなコーヒーカップも終わり、ふらふらっ、としながら出てくる。

「楽しかった！なんか、足ふらふらするわ...」

「酔ったんちゃん？いけるか？」

酔っては無い、とは思う、なんて自信なさげに返す。

気持ち悪くは無いし、多分いける！多分！

「ほら、そんな事より、他ん所、行こーや！」

な？と笑えば、せやな、と頷いたのを見て、また歩き出す。

パレード、とかもあるらしいから、楽しみ。めっちゃ豪華らしいし、期待は大。

「次は、どうする？あれ、行くか？」

ん、と指さした先にあったのは、回転しながら、高くなったり低くなったりする乗り物。

「おー！いいと思う、あそこ行こーや！」

あれなら、まだ酔ったりはせーへんやろうし。

ほな、きまりやな、と笑うのを見て頷く。

ここは、けっこー並んでるっぽい。でも、一番人気のジェットコースターに比べたら、まだ、ましな、はず。

何度か言葉を交わした後、遂に、沈黙。

相手はそわそわしていた。

...多分、電話で、大丈夫って言った事がまだ気になるんやと思う。

私やったら、気になるし。

でも、今は、言えなかった。

ごめん。

ふっ、と息を吐いて、目をそらした。