【名探偵コナン】珈琲と砂糖とミルク【服部平次】 (ページ27)

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砂糖にじゅうにこめ。ページ27

「もしもし？どうしたん？」

出来るだけの平然を装って問い掛ける。

「あー ... なんでも無いんやけどな、何となく掛けただけなんや。忙しかったら、ごめんな？」

その声に少しだけ安心した。

誰かと話すだけで、違った気がした。少し、救われるような、そんな気がして。

「ううん、全然いける。私も話したいなーって思ってたから、な。」

電話口で微笑みながら告げる。

さよか、と少し照れたような嬉しそうな声色にこちらも笑みを浮かべながら、雑談を進めていく。

今、は、それだけでも楽だった。

...少なくとも、自分の感情を押し殺して、潰して喋るよりは、ずっと楽で良かった。

無理、せんでも、余計なこと言う心配も無いから、良かった。

「なぁ、(名前)、なんかあったんか？」

... さっきまでの思考を止めるように、硬直した。

何か、バレるようなこと、言うた？

「え ... 何で？どう、したん？」

震える声、できるだけ、自然に。

「なんでって... 何となく、や。好きな人の事ぐらい分かるっちゅーねん」

呆れたような声。

ばれちゃったか、なんて眉を下げながら、何もないで？と淡々と嘘をついていく。

少しの罪悪感、しかし言って相手をこれ以上苦しませたくなんかなかった。

余計な事言わんと、静かにしといた方が、ええ。

それは、さっき、身をもって痛感したこと。

また、同じことを繰り返すなんか、論外や。

まだ、納得いかない様子の彼氏に、追い打ちをかけるように大丈夫だと答える。

「さよか？まぁ、なら、ええんやけどな ... 」

無理すんなよ？という言葉に深く頷きながら。

...かけて、欲しい言葉を、掛けてくれる。

それだけで嬉しかった。

自分が悪いのは重ね重ね承知してる。

「あぁ、せや、どっか行かへん？」

ぽつり、と呟いた。

この間は、重い雰囲気になったから。

もしよかったら、何やけど。と付け加えた。

「行けるに決まってんやん。どこ行く？」

と即答された。

それに笑みを浮かべながら、遊園地とかは？と提案してみる。

ちょっと、遠出するのも悪くないやん？と言ってみたり。

「おお、ええなぁ。ほな、この間の場所に集合な、」

ついたら連絡するわ、と言う言葉に相槌を打って、何度か言葉を交わした後、電話を切る。

よし、ほな、準備せな。

箪笥を開けて、用意に取り掛かった。