砂糖にじゅっこめ。 ページ24
「 何や?」
そう言って首を傾げる姿に、やめろ、も聞かず止まれなかった 。
「 いっつも惚気ばっかり 」
あ
「 こっちの話も聞かんと、言うだけ言って、自分の都合ばっかり優先して!」
あぁ
「 はっきり言って、聞いててしんどいし、嫌やねん... 」
あぁ...
「 いい加減に、してや。私は都合のいい道具なんかや無い!」
あぁ ... もう
「 和葉、和葉和葉、って!ちょっとはこっちの気持ちも考えてや ... っ 」
もう、終わった。
最後の言葉はひどく震えて力無くて、消え入りそうだった。
小刻みに体が震える中、目だけはしっかりと相手を捉えていた。
平次は、硬直して目を見開き顔を強ばらせていた。
「 ... なぁ、(名前)、それ、本気で言うてるんか?」
聞こえた声は、聞いたことが無いくらい低くて、掠れていた。
「 そない思うてるんやったら、初めから断っと とったらよかったんちゃうか ... 、 」
立て続けに話す平次に、足が竦んで、ぎゅっ。とグラスを手で包むように握った。
言わな、言うたって、... 言おうとしたって。
やっと、声を震え出す。
「 言おうとした、何回も ... ! でも、その度に聞いてくれへんかったのは平次やんか... ! もう、なんも聞きたくない ! 」
みっともないぐらい震えた声、うまく紡げたかさえも不安になってきた。
「 ... さよか。迷惑掛けて悪かったな ... 」
眉を寄せた相手は、見たこともない表情で 。
苦しくて、つい、言ってしまった
「 あんたなんか ... っ 、平次なんか、大ッ嫌いや!」
叫ぶ様に、振り絞るように告げる。
視界が霞んで、泣きそうになってくる。あかん、なんで、泣くん、
「 あぁ 、そーか 。... 聞きたくもないのにぺらぺら喋って悪かったな、聞かへんくて悪かったな ... 、もう、2度と言わんように、"金輪際"関わらんわ 」
怒り、戸惑い、少し哀しそうで、失望した... 色々な感情が入り交じったような目をして、がたん、と席を立ち上がった。
机の端のほうに少し乱雑に置かれた代金、2、3枚の硬貨が音を立てて落ちる。
全ての音に怯えていた。
何も言われること無く、平次は店から出ていってしまった。
一人残った私は、これ以上お店の方に迷惑をかけるわけにはと、震える足を無理矢理立たせ、落ちた硬貨を拾って、支払いを済ませる。
何、で
こうなるはずじゃ無かったのに
どこから、間違えた?
つい、かっ、となった時?
或いは、もっとずっと前から ...
186人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あやせ | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/home
作成日時:2017年8月5日 1時