砂糖じゅうななこめ。 ページ21
「 嘘やろ... 負けたんやけど... 」
相手のゲーム画面と自分のゲーム画面を何回も交互に見た。
しかし、結果は得点的に惨敗。
やった事、あったから自信あったのに!なんて眉を寄せるも、言い出しっぺは自分だ、罰ゲームを受けよう。
「 惨敗やわー... ほんで?罰ゲームの内容、何?」
じっと見つめて問い掛ける。全く予想もつかない訳で。
「 あぁ ... せやなぁ 」
生返事をしながら、考え込んだ相手。
返事を待ちながら息を吐く。変なのじゃありませんように。
「 ... 正直に答えてな?... 服部の事、好きなんちゃん ... ? 」
煩くゲームの音が溢れる中で、その声だけは確かに耳に響いた。
あの、音が遠ざかる感覚。
いつから、ばれてた?
... 分からなくて、眉を寄せる。
「 何、で ? 」
ただ、それしか答えられなかった。
きゅっ。と心臓が締め付けられる。
「 ... いっつも、服部の事、見てたやろ ?遠山とおるとき、傷ついた顔してたから 」
そう思っただけなんやけど、と見つめてくる目は怖いくらいに真っ直ぐに見えた。
心の中まで見透かされたような、そんな感じ。
何も答えられなくなって、俯く。
「 ... もし、ほんまに好きやったとしたら ... 俺、結構前から気づいててんで?」
俺も、(名前)の事、好きやったからな、と眉を下げながら笑う姿は無理をしているように見えた。
「 好きやったからこそ、分かったんや。好きな人を見てる時の表情とか、同じやから。」
遠山も、俺も。そう呟いた後、沈黙が続く。
ばくばくとうるさい心臓。
なんて、答えるべきか、分からなくて。
... 何が正しいのかなんて、分からなかった。
「 やから、ほんまに当たって砕けろで告白したんや ... OK貰えた時は、めっちゃ嬉しかった、けど ... 」
「 けど、好きな人の幸せを願いたいやろ?... (名前)も。それは、同じなはずや。」
だから、無理して俺と付き合わんでもええで、とまゆを下げていた。
その姿に、つき、と胸が痛んだ 。
「 ほんまに、好きになってもらわな意味無いやろ?」
同情なんかで、付き合っても、上手くいかんからな、と笑っている姿は、明らかに寂しそうで 。
...知らずの間に、気持ちを背負わせていたらしい。
私のことを考えて、くれていた 。
「 ごめん、ごめんな ... 」
やっと絞り出した言葉は震えていた。
謝ることあらへん、と首を振る姿に罪悪感が渦巻く。
ごめん、ごめんなさい。
言えなかった謝罪は、ゆっくりと溶けていく。
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作者名:あやせ | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/home
作成日時:2017年8月5日 1時