砂糖ふたつめ。 ページ3
翌朝。気怠いのを抑えながら学校に登校する。
校門に近付いて行くほど、声が大きくなっていく。
...あの2人をからかう声。
分かってる、本当にあの2人は元々幼馴染みという事もあってか仲良ええし、お互いの事良く知ってるから、ラブラブ、だとか言われるのは仕方ない。
私も幼馴染やけど。
そういう点では、確かに和葉には劣るかもしれない。元々、3人で幼馴染だった割には、2人は仲良かったし、互いの事気にかけてたし。
必然的に引っ付いたんやろなぁ、なんて考えながら歩いて行く。からかう声と二人の隣を通り過ぎて行く。
昇降口を通り、下駄箱に向かう。
自然と眉が寄っていたらしく、近寄ってきた友人に心配されてしまった。
「 あんた、朝から不機嫌やなぁ?どうしたん? 」
「 え、なんもないよ ? いけるいける!」
と苦笑しながら首を振って。靴を履き変え、教室へと向かって行く。早く行かないとあの2人が来てしまう。
...何か避けてるみたいなぁ。
...間違ってないかも、しれへんけど。
相手に想いを爆発させるよりは避けて距離を置くのがいいかもしれへん、と小さく息を吐く。
煩い蝉の声が頭に響く。
「 もう夏やなぁ 。」
「 何言うてんの?当たり前やん。すぐ夏休みに入るわ!」
夏休み期間中は、見なくても済むか、なんて目を逸らしながら窓の外を見つめる。
そう考えてしまうのは、性格悪いやろか。
「 なぁ、夏祭り... 」
話題を変えようと友人に声をかけようとするも、それを遮るように、彼氏が声を掛けに来てしまった。
お熱いなぁ!!! とは口に出さへんけど。
最近は、彼氏彼女もまぁ出来ている。私は、好きな人と結ばれることなんかないって分かってるし、いっそ新しい恋を探した方がええかもなぁ。
見つかるか?そんなもん保証はないけど。
恋に恋してるって言葉あるけど、相手に彼女が出来てまで好きなのは変えられへんって、そういう事なんやろか。
息を吐く。からかいの声。あーあ、朝から大変やなぁ。と他人事に考える。
片想いこじらせたんか、長年の片思いは重すぎるんか。
惚気を聞くというのは実際言い方が悪いが、平次が話してくれるんは、惚気と相談。
何で私が、とは思っても幼馴染やし、断るのも悪いし。
一瞬だけでも想いを向けて欲しいわ、なんて。
そんなことを考えながら、暫くぼーっとしていた。しかし、
「 あ、今日調理実習やん... 」
誰かが呟いたのを皮切りに、一斉に2人に目線が注がれる。
...まぁ、当然やわな。
186人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あやせ | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/home
作成日時:2017年8月5日 1時