ミルクひとつめ。 ページ19
... さっきから ... 否。
結構前から、不安が心の中をぐるぐるぐるぐる渦巻いていた。
...いつか、平次が離れてしまうんちゃうかって。
いや、そこまで強制して私の隣におってほしいってわけじゃないけど。
ずっと、好きやから ... やっと結ばれたから、譲る、のはできへんかった。
始め、まだ、(名前)の気持ちに気付いてへんかった頃は、親身になって相談に乗ってくれる(名前)を頼りにしとった。
それは、今も変わらへん。
...ただ、怖かったんや。
最近は、平次の様子もおかしいし。
いくら、(名前)に彼氏が出来たって言うても、本心じゃなかったとしたら。
そんな可能性は、いくらでもあるはず。
(名前)は優しいから、すぐ遠慮するし、言わない。
さっきの髪留めやって、そう。
たまには、言うた方がいいんやで?とは言えなかった。
結局、怖かったりする。
ただ、平次が選んだのは、私やって...
今は、その事実に安心して縋るしか、なかった。
別れを告げられたらその時はその時。
好きやからこそ、幸せを願うのは、(名前)も、私も一緒やと思う。
(名前)は、それが特に強いやろうから、一人で抱え込んでそうやけど、私にはどうしようもなかった。
相談に乗る、としても気まずいやろうから、と目を伏せる。
「 なぁ、和葉、さっきからどないしたんや?ぼーっとして... 」
体調でも悪いんかという声にはっ、としてそちらを見る。ふるふる、と首を振って、何もないわ、大丈夫。と答えた。
ほんまか、?と言われれば大きく頷く。
余計な心配掛けへんほうがええわ、絶対。
考えすぎってことも、あるかもしれへんし。
深く暗いもやが掛かっていく。きのせい、となんども言い聞かせて、隣を歩く。
...後、ちょっとだけでもええから、隣にいさせて。
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作者名:あやせ | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/home
作成日時:2017年8月5日 1時