自己満足【ろんぐ。】 ページ47
チームを結成して間もない頃、
レントはこの世に居ないと伝えられるものに会っていた。
この世に居ないと伝えられるものの一種、悪魔。
悪魔とは、神を誹謗中傷し、人を誘惑するもの。
悪を象徴する超越的存在などと伝えられる。
また、これらも近代化によって失われた伝承である。
*
『お前、強くなりたいと思わないか?』
誰も居ないはずの場所から声がした。
誰だ、と言おうとしたら謎の声の主に遮られた。
『ああ、返事はしなくても良い。
強くなりたいと思ったならそのまま耳を傾けていてくれ。』
『____俺と契約すれば、今と比べ物にならない程の力が手に入るだろう。
その代償は大きいがな。』
また来るから考えておいてくれよ。と言い残し悪魔と名乗ったやつは消えた。
*
最近、嫌な夢ばかり見る。
チームが壊れる夢、いや、壊される夢か。
奇襲される夢を立て続けに見るのだ。
そして、俺は為す術無しに、皆は次々倒れて行く。
『よう。考えてくれたか?』
突然悪魔が現れた。
今度はちゃんと姿を見せた。
大きな角、禍々しい模様をした羽。
人型をしていて思っていたものと違っていた。
『なんか今すっげー失礼な事を考えられてた気がするんだが。』
「思い過ごしだ。気にするな。
で、契約の事だが。」
1つ質問をして契約するか否か決めることにした。
最近嫌な夢を見るんだが、何かの予兆なのか?と聞くと
悪魔は首を傾け、うーん、と唸った。
『予知夢になり得るか、か...。
俺たちの世界じゃ、そういう夢は大体現実になるんだが、
お前らの世界じゃわからねぇな...。』
「ふむ...。」
一緒になって考え込んでいると、悪魔がこちらを見ていた。
『お前、俺の言う事を信じるのか?』
「まぁな。あ、根拠なんて無いから理由は聞くだけ無駄だぞ。」
なんて真顔で言ったら、そうか。と少し嬉しそうにして笑った。
「そうだなー...、嫌な夢見るから、とかじゃなくて、
なんとなくだけどお前に興味が湧いた。」
悪魔はほう、と呟いて、じゃあ交渉決率でいいんだな?と聞いてきた。
「勿論。俺の魂、お前にくれてやろう。」
『俺の能力、思う存分使うが良い。』
こうして俺達は1つになった。
これで、あいつらをもっと守ってやれる。
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作者名:霜降月 ろんぐ。 x他3人 | 作者ホームページ:
作成日時:2015年2月16日 23時