＊心の蟠りを【ろんぐ。】 ページ31
レント「俺もなんだ。」
少年は驚きを隠せずにいた。
俺は気にせず続ける。
レント「前は、なんで俺は生きてるんだろう、って思ってた。死んでしまいたいって。
でも、今は生きてて楽しいよ。俺、チームのリーダーやってるんだぜ?凄いだろ。」
今を精一杯生きること。それが大切だ。
誰かのものだとしても関係ない。
俺たちは今、生きている。息をしている。
誰１人同じ人間なんていない。体が別れた時点でもうそれは違う"人間"なんだ。
だから、大丈夫。お前は偽物なんかじゃないよ。
そう言うや否や、睡魔が襲ってきて俺は眠ってしまった。
最後に見たのは、少年の嬉しそうな笑顔。
*
イリス「あ、れんれんおはよ〜。」アルコ「どうだね目覚めは?」
目が覚めたら、アルコとイリスが目の前にいた。
レント「お、お前ら...あれ?俺、落ちたんじゃ...」
俺の体には傷一つない。
イリス「何言ってるの?
僕たちれんれんを待ってたのに、
ぜんぜん来なくていろんな所歩いてたられんれんが倒れてたんだよ。」
アルコ「気を失ってたのかなー?夢でも見たの?」
夢....だったのだろうか。
夢、か。
まだふわふわした感覚が抜けない。
アルコ「用があったのに忘れちゃった!れんれん、帰ろう。」
レント「なんだよ、折角来たのに。」
イリス「良いじゃ〜ん、もうここお化けが出そうで怖いんだってばー。」
他愛ない話をしながらも、俺は夢のことをずっと考えていた。
何故俺は、あの少年に思ってもないことを言ったのだろう。
自分と重ね合わせてしまったのか。
大丈夫。お前は偽物なんかじゃないよ。
この言葉が、反芻される。
まるで俺に向けて言われたような感覚だ。
少しだけ、自分に自信が持てた気がした。
足取りは、軽い。
((俺の中の心の蟠りの1つが解けた。))
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作者名：霜降月 ろんぐ。 x他3人 | 作者ホームページ：
作成日時：2015年2月16日 23時
