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次は＿＿そうだ、ザキさんのところに行こう、なんて次の予定を立てていると頌樹さんが俺の方へ顔を向けた。
｢Aはこれからどうすんの？｣
｢ザキさんに会ってきます！九里さんと話してるところですかね？｣
頌樹さんにこれからの予定を伝えるためにザキさん＿＿基岩崎さんを探すと、ちょうど九里さんと楽しげに話していた。
俺と同じく広報さんもザキさんのところに行くらしく、一緒に向かうことになった。
｢岩崎投手とはどんな先輩ですか？｣
カメラをこちらに向けて問いかけた広報さん。これもYouTubeに上げるのかなーと思いつつ、ザキさんとの記憶を辿る。
ザキさんと初めて会ったのは一昨年。俺が道に迷ってたときに助けてもらったことで知り合った。初対面が初対面なだけに何かとからかわれるのだけど優しさが隠しきれていない。
｢確かはじめましてが21年のオールスターだったんですよ。
そのときにひと悶着ありまして……そこから良くして貰ってます。色々気にかけて下さるのですごくお世話になってますね〜｣
｢いつも楽しそうに話されてますもんね｣
にこり、と笑みを浮かべる。俺もつられて相好を崩した。なんだか嬉しいような、少し気恥ずかしいような、そんな気分だ。
広報さんと話すのに夢中になっていて気づかなかったけど、ザキさんと九里さんはもう目と鼻の先である。
｢へへ、伝わってました？……ザキさーん！九里さーん！！｣
｢Aだ｣
俺がザキさんと九里さんの名前を呼ぶと会話を中断して俺の方を向く。
二人の元へ駆け寄ると、二人とも笑顔で俺の頭をクシャっと撫でた。
｢どうしたの？｣
｢ぼくと写真撮って下さい！｣
ザキさんは暫くの沈黙のあとで｢いいよ｣と笑った。九里さんは笑顔をこちらに向ける。肯定だろう、と受け取った俺は二人の間に入る。
二人と写真を撮って、カメラマンをしてくれた阪神の広報さんにお礼を言う。
｢お邪魔しちゃ申し訳ないので、そろそろ行きますね｣
｢もう行くの？｣
九里さんは、俺にそう言った。まさかそんな事を聞かれるだなんて思ってもいなかったから、質問を質問で返してしまう。
｢まだいていいんですか？｣
｢俺はいてほしいけど｣
俺の目を見て揶揄うようにそう言ったザキさん。その言葉が嬉しくて思わず抱きついた。
そんな俺の背中を赤子をあやす様な手つきで優しくさすってくれた。
同級生コンビに挟まれながら野球談義を交わした試合前だった。
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続く (更新停止中)
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作者名：カブ | 作成日時：2023年12月17日 0時
