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｢あ、由伸さん！｣
俺の2日目の予定表の中に入っていた由伸さんと会うという予定を果たすべく由伸さんを探していると、ちょうど目の前に由伸さんがいたので思わず声をかける。
俺の大声に少し驚きつつも、いつもの調子で対応してくれた。
｢ん、どうかした？｣
｢どうしたと思いますか〜？｣
オールスターのテンションに身を任せ、された側からすると、だいぶめんどくさいだろう質問をする。
由伸さんは｢めんどくさ｣と苦笑している。いつも意地悪される仕返しのようなものだったけど、センスのない仕返し方だったかもしれないと我ながら反省する。
俺の面倒くさい質問に答える気はさらさらない、というように由伸さんは俺の言葉を待つ。
｢ヘヘ、すみません。山下くんに会いたくて｣
｢あ〜、昨日言ってたやつか｣
昨日、オールスター終わりで由伸さんと二人で晩御飯を食べに行った。野球やらプライベートやら色々話したのだが、その中に俺が｢由伸さんとこの山下舜平大くんに会いたい｣という話もしていた。
｢ちょっと待ってて｣と言われて少し待っていると由伸さんが山下くんと仁藤さんを引き連れてやってきた。
｢はじめまして！柳葉Aです｣
｢山下舜平大です、はじめまして柳葉さん｣
｢っ〜！だめだ由伸さん。ぼくむりかもしれない｣
少し緊張気味の山下くん。俺よりも全然体は大きいのに何だか小動物みたいでかわいい。
山下くんの可愛さにやられる俺、それを見て呆れる由伸さん、状況が掴めない山下くん、にこにこする仁藤さんで、ちょっとしたカオスが形成されている。
｢いつもこんなんやから気にせんでいいよ｣
｢ごめんね、おれのことはAでいいよ。山下くんはなんて呼べばいい？｣
｢僕は何でもいいです。先輩方からはペータって呼ばれてますけど｣
｢じゃあ、ぺーたくんだ！！へへ、かわいいね、ぺーたくんって呼び方｣
山下くん改めペータくんは照れくさそうに笑った。溢れ出る後輩オーラに耐えきれなくなって、わしゃわしゃとペータくんの頭を撫でた。
どうしていいのか困惑して由伸さんを見るペータくんも可愛い。これは由伸さんに借りを作ってまで頼んだ甲斐があった。
｢まあ、こんな後輩大好き人間やけど仲良くしたって｣
｢仲良くして下さい！｣
｢これからよろしくお願いします｣
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作者名：カブ | 作成日時：2023年12月17日 0時
