［amtk］お月様と彼女さん

#プロポーズ ページ18

☽･:*



私たちは映画が好きでデートもよく映画館に行っていた。

昔のものから流行りのものまで、映画が終わった後は何時間も語り合っていた。


出会ったのもちょうど映画館。
昔の映画がまたやるということで当時高校生だった私は近くの映画館に足を運んでいた。


昔のものということもあって周りはご老人達ばかり。





だけど、そこに翔太くんがいたんだ。


同年代の人がこの映画を知っているということに興奮した私は思わず声をかけてしまった。


翔太くんは驚いていたけれど話していくうちに仲良くなって連絡先も交換して……



1番驚いたのは同じ高校だったということ。
廊下でばったり会って驚きのあまり2人で大声を出して先生に叱られたのを鮮明に覚えている。





そして、今日は映画館デートだ。

あの日と同じ映画、同じ映画館。




映画終わりは決まっていく喫茶店。
長時間悩んだ挙句いつも同じメニューを頼んで映画のことを語るのはもう恒例。




「あの日もしこの映画館でこの映画を同じ時間に観ていなかったら僕らは今こうしていなかっただろうね」

『そう考えるとすごい確率ね』




もう常連客となっているこの喫茶店。経営しているおばあさんとはもうすっかり仲良しだ。




「あのね、今日は言いたいことがあって、」

『ん？なぁに』



すっと息を吸い深く吐く翔太くん。





「俺と、結婚してください。」





指輪の箱を開くては少し震えていて




『こちらこそ、よろしくお願いします…っ…』



震える手にそっと自分の手を重ねる


私の左の薬指に指輪がはめられる。



「はぁぁぁぁ良かったぁぁぁ」



安心したのかふにゃりと笑う翔太くん


つられて私も笑う







これからもよろしくね。

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