魔女 ページ19
1年、2年、3年..................
血を飲ませ続けた。
ガセだと信じたくない。それ故に飲ませ続けたのかもしれない。
そんなある日、俺の店に長い赤毛の女がやって来た。
俺が今まで見てきた中ではもしかしたら一番の上質素材...
彼女はにこりと俺に微笑んだ。
俺もそれに返して__________
鋏で彼女の胴体を切断した。
はずだった。
「全く...酷いことするねぇ。人形師さん」
おどけるように、彼女はそう言った。
今まで、仕留めきれなかったやつはいなかった。
避けた?どうやって?
そうだとしても殺せば問題ない。
でも鋏の構えるより早く、俺の唇に人差し指が添えられた。
「このまま数百年。君に耐えられるのかい?」
どういう意味だ_________?
それも分かっていたかのように、指を添えたまま彼女は言葉を紡ぎ続けた。
「言葉通りそのまま...ね。
一滴一滴捧げるのと同じだ。
愛されることを望むなら、人形ではなく、
人間と会話をする努力をした方がいい。
だから、呪術なんてやめなさい。
今やめないと取り返しのつかない事になるよ。
いいね?私は確かに忠告したよ」
そして、彼女は指を離す。
温かな感触が唇を離れていったのが少しだけ、寂しかった。
でも、それ以上に俺は彼女が恐ろしく感じた。
得体のしれない何か。
美しい見た目とは裏腹の。
___________魔女。
そうだ、彼女はそんな感じがする。
日の光を浴びて輝く赤毛。
それを舞わせて彼女は店を出ていった。
このまま、数百年。
でも、その先に愛される未来があるのなら。
血を、捧げる価値はある。
たとえそれが、取り返しのつかない事になってしまったとしても、やっぱり俺は愛が欲しい。
だって、独りは寂しすぎる。
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手ふぇち - 待っっっって・・・めっちゃ好き!!!ヤンデレサイコパス最高!!!!!! (2021年9月19日 20時) (レス) id: e31fa55851 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ - ルヴァンネさん» ルヴァンネさん自身も忙しいですものね。無理せず、これからも続けてくださると私的には幸せです。返信どうもありがとうございました! (2018年10月27日 20時) (レス) id: 6d01fe97ff (このIDを非表示/違反報告)
ルヴァンネ(プロフ) - ましろさん» いいえ。人形師自体はまだ続きます。あと2回3回くらいで完結になるかと思いますが、現在は未定です。 (2018年10月25日 12時) (レス) id: d6627a81ed (このIDを非表示/違反報告)
ましろ - こんにちは。人形師に魅了され、以前から他作品も楽しく読まさせていただいている者です。質問なのですが、人形師シリーズが完結になっているのは、もう続編は作らないということでしょうか?人形師シリーズが好きすぎる故、気になります。 (2018年10月23日 20時) (レス) id: 6d01fe97ff (このIDを非表示/違反報告)
通草 - 人形師筆頭の男子のギャグ… 見たい (2018年8月19日 21時) (レス) id: 499fedeecd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルヴァ子 | 作成日時:2018年8月9日 12時