無知な付喪神【神無月】 ページ13
再び、紅葉が色づく季節になりました。
しかし、壊された村の紅葉は枯れ果て、もう色づけることはありません。
妖狐たちは、せめてもの償いに、村を再び元に戻そうといたしました。
その時、妖狐の一人が、紅葉に隠されたもう一つの世界を見つけたのです。
不思議に思った妖狐が足を踏み入れると、そこには辺り一面に、紅の紅葉が広がっておりました。
そして、同時にここが現世でないことを、妖狐は知りました。
まさにそれは、【神域】だと──
仮にここではそう呼ぶことにいたしましょう。
妖狐は、神域にわずかに漂う霊力と妖力の混ざった残気をたどっていきました。
やがて一つの社を見つけ、その扉を開けると、そこには、物言わぬ彼女を抱えながら、眠る月光がおりました。
彼女の死体は腐敗などしておりませんでした。恐らく、神域にずっとあったために、月光の霊力と妖力に守られたのでしょう。
妖狐は月光を起こし、なぜ死んだ彼女を弔ってやらないのかと、問いかけました。
その時初めて、月光は【死】という言葉を知ったのです。
生き物には寿命があること。
寿命が尽きれば、死が訪れること。
死んだ生き物は、生き返らず、もう二度と帰ってくることがないこと。
そんなはずはないと、月光は否定しましたが、物言わぬ【者】となった彼女を見て、彼は嫌でも現実を知ってしまったのです。
『──あぁ、おいたわしや付喪神の子。死してなお人の子を隠すとは』
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リリー(プロフ) - ルヴァンネさん» 返信遅れました...ふ、フロチャでもう一回ですか!?あ、ありがとうございます!楽しみに待ってます! (2019年11月1日 19時) (レス) id: 74e525c1b3 (このIDを非表示/違反報告)
ルヴァンネ(プロフ) - リリーさん» これはあくまでプロローグ扱いなので、貴方様のリクエストはフロチャで再度消化させてください・・・こちらは夢主表現も曖昧なので・・・ (2019年10月20日 20時) (レス) id: c124615dbe (このIDを非表示/違反報告)
リリー(プロフ) - わあああああぁぁぁぁありがとうございますうううううぅぅ!!!リクエストお答えしていただいて、ありがとうございました!(*^^*) (2019年10月20日 20時) (レス) id: 74e525c1b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルヴァ子 | 作成日時:2019年10月20日 18時