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新月の槍【長月】 ページ12

槍は、全てを知っておりました。

知った上で、頷きました。
知った上で、引き受けました。

狐の面と、黒い袴の青年。

彼は、自らを新月翔時(しんげつかけとき)と名乗りました。

彼は、村の者たちが殺されたことを知っておりました。

月光の事も知っておりました。

人の姿の彼を、特にどう思うことはありませんでしたが、自分の手入れをしてくれた村人たちを彼は好いておりました。

だからこそ、彼は、許せなかった。

物言わぬ面のその下の顔は、怒りで歪み、殺気をまといながら、彼は妖狐と共に男を探しました。

やがて、また他の村を食い潰すように過ごしていた男を、翔時は見つけました。

男は、はじめは不審がっておりましたが、翔時があの村の者であることを伝えると、大笑いし始めました。

『あの村の生きのこりか! 今まで生きてたってことは、怖くて逃げてたのか! 家族も友も捨てて! なんてやつだ!』

男は翔時をバカにし続けますが、翔時は面をしているため、男に表情は分かりませんでした。

全く反応を見せない彼に、男は面白くなかったのか、刀をちらつかせて、脅しました。

『こいつで、村の狐どもも、裏切り者も、斬ってやった』

しかし、翔時は動じません。

それにしびれを切らした男は、翔時に刀で斬りかかっていきますが、男の刀は、使われてから、一度も手入れなどされておりませんでした。

また、翔時の槍には霊力が宿っており、それが刀に宿る妖力を相殺(そうさい)したのでしょう。

故に、翔時が槍の柄で防いだ際に刃が欠けてしまったのです。

あっさり刃が欠けたことに、男は驚いておりました。

そして、殺されることを悟ったのか、男は、腰を抜かして、彼に許しを乞いました。が。


『俺は、お前を殺さない。俺がお前を殺さずとも、お前に殺されたものが、お前を殺すだろうからな』


ただ、冷たくそう告げて、翔時は男の前から去っていきました。

刃の欠けた刀から、何かの割れる音。その部分から刀の妖力の漏れ、男を守るものはなくなってしまいました。

そして、待たずに男の悲鳴が辺りに木霊いたしました。

こうして、長月の新月の夜に、翔時は敵討ちを終えたのです。

無知な付喪神【神無月】→←同族殺し【葉月】



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リリー(プロフ) - ルヴァンネさん» 返信遅れました...ふ、フロチャでもう一回ですか!?あ、ありがとうございます!楽しみに待ってます! (2019年11月1日 19時) (レス) id: 74e525c1b3 (このIDを非表示/違反報告)
ルヴァンネ(プロフ) - リリーさん» これはあくまでプロローグ扱いなので、貴方様のリクエストはフロチャで再度消化させてください・・・こちらは夢主表現も曖昧なので・・・ (2019年10月20日 20時) (レス) id: c124615dbe (このIDを非表示/違反報告)
リリー(プロフ) - わあああああぁぁぁぁありがとうございますうううううぅぅ!!!リクエストお答えしていただいて、ありがとうございました!(*^^*) (2019年10月20日 20時) (レス) id: 74e525c1b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ルヴァ子 | 作成日時:2019年10月20日 18時

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