第三話 ページ6
「…ユア、彼らを下手に怖がらせないでください」
「あら、私は本当の事を言っただけだよ〈ニッコリ〉」
「……」
…確かに、ユアなら多分ーー否、絶対やる。
ユアは、アリアから与えられた仕事に誇りを持っている。
だから、ユアから命じられた仕事を邪魔する者は、誰であろうと地獄に叩き落とすでだろう。
「…ともかく、貴方達もタナカさんを見習って少し大人しくーー…！」
今だに恐怖で騒いでいる三人に注意しようとしたセバスチャンの眼が、ある一点で止まる。
ーこれだ！ー
パンパン
セバスチャンが、手を叩き、こちらに注目を集めさせる。
「お静かにーー皆さん。これから私の言う事を、よく聞いて直ぐに行動してください。」
そして、セバスチャンは“ある物”を手に取ると
「“コレ”で何とかします」
セバスチャンが手に取ったのは、タナカが愛用している湯飲みだった。
(へぇ〜、そう言う事…〈妖笑〉)
セバスチャンが何を思いついたのか察したユアは妖しく笑った。
「おいセバスチャン、本当にコレでいいのかよ！？」
手に火炎放射器を持ったバルドが聞く。
「ええ」
「コレでいいんだよ」
セバスチャンとユアがそう答える。その時
「セバスチャンさーーん！」
声のした方を見ると、メイリンがいくつかの箱を持って走って来た。
「あっただよ！」
その瞬間
「キャ…！」
メイリンは、何もない所でころんだ。
だが
ぱしッ
カカッ
ドサッ
ユアが、メイリンが持っていた箱を受け止め、セバスチャンがメイリンを支えた。
「貴方は…だから何度も屋敷内は走るなと言ってるでしょう」
「すすすすすまんですよ…////！
メガネ割れて、前あまり見えないデス…////！」
…メイリンが、滅茶苦茶赤くなっているのは気のせいではない。
バルドが、「大丈夫か、オメー」と声をかけている。
「しかしコレで、“主役”は心配ありません」
その時
「セバスチャンさーーん！！」
フィニが、走っり寄って来た。
「植木屋で砂利と言われた物、買って来ました！」
「そうですか。ご苦労様でした
ではーー」
セバスチャンは、ユアの方を見て
「庭は貴方が仕上げてください。
私より貴方の“得意分野”でしょうからねぇ」
意味ありげに言うセバスチャンにユアは
「勿論…」
意味ありげに笑いながら答えた。
「ーー後は私達に任せて、皆さんは休んでいてください
くれぐれも大人しく、“大人しく”お願いしますよ」
((二度言った))
(あはははははは！！)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 53人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雪桜☆ | 作成日時：2017年9月18日 16時
