第二話 ページ5
「《味◯元》……？ 私のレモネードはどっか行っちゃたけど…それが入ってたんだ……」
「え？ どこか言ったとは、どういうーー」
意味ですか。
そう続く筈だった言葉は、セバスチャンの瞳がユアを捉えたことにより止まった。
(…そういう事ですか)
よくよく考えれば、あのユアが、アリアを溺愛しているユアが、アリアが《味◯元》入りレモネードを飲みところを黙って見ている筈がない。
…まあ、それならセバスチャンが飲む前に教えてくれればいいものの…
「ーー〜〜〜〈怒〉
では、私は準備を致しますのでこれで」
「ああ、頼んだぞ」
「お任せ下さい」
「ユア…貴方も手伝ってあげて…」
「はーい」
セバスチャンとユアは、早速準備をする為に出て行った。
「…兄様」
「どうした？ アリア」
「…この事、バルド達が知ったら…」
「……」
ぶっちゃけ言おうーーバルド達はある意味最強のトラブルメーカーなのであった。
「…大丈夫だろ。“あいつら”なら対処できるだろ」
「…うん。ユア達が準備してるから、邪魔しないようにしなくちゃ…」
アリアは椅子から立ち上がると
「…書庫で本を読んでくる」
「ああ」
…余談だが、アリアが出て行った50分後、シエルがセバスチャンを呼びつけ軽食を頼んだのは、アリアの知らぬところである。
1時間後
「…で？〈怒〉」
「……〈呆〉」
その光景を見たセバスチャンはドス黒いオーラを放ちながら、最強にトラブルメーカーの三人を問い詰めていた。
「一体何をどうしたら、こういう事になるんですか？〈黒笑〉」
「「「ひいっ！」」」
その光景は、庭は枯れ、食器は割れ、お肉が焼け焦げになっている光景だった。
「雑草抜いた後、除草剤を撒こうとしたら蓋が開いてて！！」
「お客様用のティーセット出して置こうとしたら転んで台車に…！」
「だってよぉ…生肉が置いてあったから焼いてやろうと思って…」
…バルドの頭がアフロになっているのは気のせいではない…
…ちなみに、こういう状況だと言うのに、タナカは微笑みながらお茶を飲んでいる。
「……わかりました…仕上げをまとめてやろうと置いてあった私にも非があります…」
「あ、許すんだ」
「…貴方はなに他人事のように言ってるんですか…」
「だってーー」
その瞬間、ユアは、それはそれは可愛いらしい笑みを浮かべながら
「私だったら、もうこんな事しないように
地獄に叩き落としてあげるのに〈ニッコリ〉」
「「「ごめんなさぁぁーーーーい！！」」」
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作者名：雪桜☆ | 作成日時：2017年9月18日 16時
