私の"力" ページ7
「紫水、ニャンコ先生のことも知ってるのか?」
「はい。勿論でございます。私どもの間ではとても有名な方でしたし、涼子様にくっついていた頃、よく見かけました故。」
「なるほどなぁ。」
それに元々、紫水はここに住んでたんだ。私が幼い頃に笛で呼び出し、それからずっと一緒にいたわけだけど、帰ってきたかっただろうに。
「ところで、ずっと気になってたんだけど、涼子さんって誰なんだ?それに祓い屋って。」
『ああ、それは私が説明するよ。私の家は元々祓い屋だったんだ。でも、祖母が死んでから廃業したらしい。』
『最も、祖母は妖好きだったみたいで、祓うのを好まなかったんだって。それが、涼子さん。つまり私の祖母。』
「じゃあ穂ノ目は、今は祓い屋じゃないのか?」
『残念ながら、祓い屋だよ。祓い屋ってのは妖からしたら敵になるけど、私は妖を守るために祓い屋をやってるの。いい妖を、悪い妖から守るためにね。』
そう言うと、少し驚いた顔をした後、凄いんだなと笑顔を向けてくれた。
夏目はとことん優しい人だ。
普通なら、そこで拒絶してしまって構わないのに。
人間なんて嫌いだ。だけど、夏目は嫌いじゃない、な。
『夏目。夏目は友人帳を持ってるんだろ?』
「ああ。友人帳がどうかしたのか。」
『実は、私も同じようなものを持ってる。』
友人譜を見せれば、興味深々といった感じでそれを見る。
そこからは、自分のことと友人譜のことを話した。
初めてここまで受け入れてもらえたかもしれない。妖を見えるだけで、辛い思いをしてきただろうな。夏目も。
『夏目。これから何かあったら、私にも頼って欲しい。夏目の力になりたい。』
「ありがとう。助かるよ。でも、それは穂ノ目もだからな。お互い助け合っていこう。」
初めて会ったにも関わらず、一日で仲良くなれたことに私はとても嬉しい。
今まで出会った妖たちの話しで盛り上がっていると、あっという間に家に着いてしまった。
え……もしかして…
『「家隣か!?」』
そう。なんと家が隣だったのだ。なんという偶然…!!
『家…隣だね…。』
「隣…だな…。」
私たちは不思議と可笑しくなり、顔を見合わせて笑った。
「おや?A、帰ってたのか。」
急に聞こえた声に驚きそっちに目をやると、蒼葉が立っていた。
『夏目、今日は時間ないし、今度家に来てよ。この人含め、紹介するから。』
「ああ、分かった。じゃあな。」
夏目と…友人になれた…のかな…?
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世界の髪飾り(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます!私も映画見てきました!父と母と3人で行きました!普段アニメを見ない母が見てみたいって言ってくれてすごく嬉しかったです!劇場でも夏目友人帳の世界を感じることができて感動しました! (2018年10月10日 20時) (レス) id: d6ecaec723 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - はじめまして!とても読みやすくて雰囲気もとっても好きです!これからも楽しみにしています!これからの更新もお待ちしております! (2018年9月20日 14時) (レス) id: 3cecd56ad6 (このIDを非表示/違反報告)
夏目大好きヤンデレ探偵 - とても続きが気になる (2018年8月17日 22時) (レス) id: 6cd51c2a27 (このIDを非表示/違反報告)
藍夜(プロフ) - 支葵美乃さん» わざわざコメント、ありがとうございます。オリフラ外したと思っていたので、指摘して頂きありがとうございます! (2018年5月24日 15時) (レス) id: 4ffe17b14f (このIDを非表示/違反報告)
支葵美乃 - 夏目友人帳、大好きなので読んでいてとても楽しかったです!更新、頑張って下さい!!あと、オリフラ外した方が良いと思います…。 (2018年5月24日 15時) (レス) id: 48e064e18b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍夜 | 作成日時:2018年5月23日 23時