メール ページ45
今日も至って普通な日だけど、心做しか嫌な予感がしてならない。
そんな思いをずっと放課後まで引きずっていると、携帯が音をたてた。
携帯が鳴った…ということは祓い屋稼業か。
きていたのはメールで、こっそりと読む。
名取さんからだ。なんでアドレス知ってるんだろう。
"やあ、久しぶりだね。元気かな?今度遠くに妖を祓いに行くんだけど、かなりの大物らしくてね。君と夏目に力を貸して欲しいんだけど、どうかな?"
"お久しぶりです。それより、なんでアドレス知ってるんですか?あと、夏目をこちら側に干渉させないでください。"
"ああ。それはこの前携帯を見てこっそりとね。とりあえず、夏目にも話してみてくれないかい?それじゃあ、私は仕事だから返事よろしくね。"
え。女の子の携帯勝手に見る男がどこにいるのよ。意味わからん。
っていうか、名取さんはなんで夏目の力をそんなに借りたいのよ。
帰るためにカバンを持ちながらそう思っていると、夏目が声をかけてきた。
「どうした?なんかあったのか?」
『……なんでもない。』
「うっそだー!穂ノ目ってば、すっげぇ怖い顔してるぞ!?」
「コラ西村。穂ノ目にだってそういう日くらいあるだろ。なあ?」
西村を小突きながら、いつの間にか入ってきていた北本が言う。
その言葉に頷き、夏目に目をやる。
……夏目の妖力が強いのがいけないのかしら。それにしても、夏目はこっち側にあまり干渉して欲しくないってのに…。
名取さんの考えてることは分からん。的場さんよりはマシだけど。
「夏目、お前が何かしたんじゃないのかー?」
「え!そ、そうなのか?ごめん。」
『へ!?なんで謝るの!?夏目のせいじゃないよ!?』
余程じーっと見ていたらしく、夏目が何かしたと勘違いしてしまったらしい。
私、そんな怖い顔してたのかしら…?
『んーまぁ、なんでもないから帰ろう!この話は以上!』
「えー。教えてくんないのかよ。」
「いいだろ話さなくても。ほら、行こうぜ?」
北本と西村の後ろを歩きつつ、夏目を肘でつつく。
「なんだ?やっぱり怒ってるのか?」
そう、申し訳なさそうな顔をしながら小声で言う夏目に少し笑いつつ、違うと答える。
『今ここじゃ話せないけど、後で話があるの。』
「祓い屋関係か?」
『そんなとこ。』
それからは皆で普通に帰路に着く。
夏目はとても幸せそうに笑っていて、夏目がもっとこっち側に来ることで、この笑顔が消えるのではと怖くなった。
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世界の髪飾り(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます!私も映画見てきました!父と母と3人で行きました!普段アニメを見ない母が見てみたいって言ってくれてすごく嬉しかったです!劇場でも夏目友人帳の世界を感じることができて感動しました! (2018年10月10日 20時) (レス) id: d6ecaec723 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - はじめまして!とても読みやすくて雰囲気もとっても好きです!これからも楽しみにしています!これからの更新もお待ちしております! (2018年9月20日 14時) (レス) id: 3cecd56ad6 (このIDを非表示/違反報告)
夏目大好きヤンデレ探偵 - とても続きが気になる (2018年8月17日 22時) (レス) id: 6cd51c2a27 (このIDを非表示/違反報告)
藍夜(プロフ) - 支葵美乃さん» わざわざコメント、ありがとうございます。オリフラ外したと思っていたので、指摘して頂きありがとうございます! (2018年5月24日 15時) (レス) id: 4ffe17b14f (このIDを非表示/違反報告)
支葵美乃 - 夏目友人帳、大好きなので読んでいてとても楽しかったです!更新、頑張って下さい!!あと、オリフラ外した方が良いと思います…。 (2018年5月24日 15時) (レス) id: 48e064e18b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍夜 | 作成日時:2018年5月23日 23時