生きるものの音 ページ28
家に帰り、夏目達が家に来ると蒼葉達に言ったらすごく喜ばれた。
そんなに私が友人を連れてくるのが嬉しいの?本当にお母さんみたいね。
「穂ノ目ー。いるかー?」
『あ、はーい!』
いそいそと玄関まで行き三人を招き入れ、二階の私の部屋へと案内した。
『お茶とお菓子持ってくるから、少し待ってて。』
そう言って台所に行くと、蒼葉が既にお盆にお菓子やら何やらを乗せていてくれた。
さすが蒼葉。行動が早い。
「何かあったらお呼びよ。」
『うん。ありがとう。』
二階へと戻れば、何やら騒がしい。
どうしたんだろう?
『どうしたの?何かあった?』
「穂ノ目様!颯魔様が酷いのです!私はこの姿ならばお話ができると思い、猫になっているというのに、颯魔様が馬鹿になさるのですー!」
そう言って今にも飛びついてきそうな紫水を多岐が抱き上げてくれた。
一先ずお盆置かないと。
『はぁ……。』
「なぁ。さっきから紫水が一人で喋ってたんだが、颯魔って妖がいるのか?」
『うん……そこに。』
窓のそばを指差すと、颯魔は人間に化けた。
「ふん。馬鹿にしたのではない。何故猫なのかと言っただけだ!」
「斑様が猫だからでございます!」
『やめなさい二人とも!』
それから少しだけ二人を叱り、三人に向き直る。
「颯魔って、あんな感じだったんだな。」
『そう。あれに黒い綺麗な翼が生えた感じよ。それじゃ、私のことについて話そうか。』
「笛のことについても聞いていいのか?」
『昨日そのつもりだったじゃない。大丈夫。別に辛いことでもないもの。』
それから、まだ私のことはあまり知らない二人に妖のことなどを掻い摘んで話す。
祓い屋だということも、やんわりと伝えた。
『そして、笛のことなんだけれど、生きているものには全てに"音"というものが存在するの。それが人であれ、草木であれ、それぞれ違った音があるの。』
『音はそのモノ自身を表していて、人の場合は性格とかがある程度分かるかな。その音を、私は普段から聞き取ることができる。』
『そして、それを綴ったものが"友人譜"。楽譜が破れてしまえば、その持ち主だった者の心がなくなってしまう、とても危険なものよ。』
音や笛のことについてあらかた話終えると、三人は自分の音を聞いてみたいと言ってくれた。
自分の音を聞くというのは、自分自身の心を知るのと同じだ。それを気味悪がる人の方が多い。
ここの人達は不思議だな。気味悪くないのだろうか。
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世界の髪飾り(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます!私も映画見てきました!父と母と3人で行きました!普段アニメを見ない母が見てみたいって言ってくれてすごく嬉しかったです!劇場でも夏目友人帳の世界を感じることができて感動しました! (2018年10月10日 20時) (レス) id: d6ecaec723 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - はじめまして!とても読みやすくて雰囲気もとっても好きです!これからも楽しみにしています!これからの更新もお待ちしております! (2018年9月20日 14時) (レス) id: 3cecd56ad6 (このIDを非表示/違反報告)
夏目大好きヤンデレ探偵 - とても続きが気になる (2018年8月17日 22時) (レス) id: 6cd51c2a27 (このIDを非表示/違反報告)
藍夜(プロフ) - 支葵美乃さん» わざわざコメント、ありがとうございます。オリフラ外したと思っていたので、指摘して頂きありがとうございます! (2018年5月24日 15時) (レス) id: 4ffe17b14f (このIDを非表示/違反報告)
支葵美乃 - 夏目友人帳、大好きなので読んでいてとても楽しかったです!更新、頑張って下さい!!あと、オリフラ外した方が良いと思います…。 (2018年5月24日 15時) (レス) id: 48e064e18b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍夜 | 作成日時:2018年5月23日 23時