知りたい ページ27
学校も無事に終わり、今日は夏目が家に来ることから少しうきうきしている。
「穂ノ目様、夏目様とお遊びになるのが楽しみなのですね。」
『うん。友人と呼べる人を、家に入れたことなかったから。』
下駄箱から靴を取り出し外に出ると、そこには夏目と多岐と田沼がいた。
あれ?夏目と帰る約束はしてたけど、田沼達はどうしたんだろ。
そう考えていたら、多岐がこっちに気づいたらしく、小走りでこちらに向かってきた。
「穂ノ目さん!夏目君から聞いたんだけど、この後遊ぶんでしょう?私達も一緒にいいかしら?穂ノ目さんのこと、私達ももっと知りたいから。」
そう、優しい笑顔で言われた。
"もっと知りたい"
そんなことを思ってもらえるなんて、とても嬉しい。
けど、話せないことは沢山ある。むしろそっちの方が多い。
いつか、話せたらいいのだけれど。
「穂ノ目さん…?ごめんね、嫌だったら別に大丈夫なのよ?」
『ううん。すごく嬉しい!是非来て!』
考え込んでいたら、私の顔を心配そうに多岐が見つめていたものだから、少し驚いた。
「穂ノ目。お前の家ってどこなんだ?」
「それが、俺の家の隣なんだ。」
「え!そうなの?なら覚えるのも簡単ね!」
わいわいと話しながら、四人で一緒に帰る。
ふと、私は紫水がいなくなっていることに気づき、辺りをキョロキョロと見渡した。
すると、いきなり後ろからドンと何かがぶつかってきた。
『なんだ……紫水か。びっくりさせないでよね。』
「わぁ!穂ノ目さんも猫ちゃんを飼ってるの!?」
「皆様こんにちは!私、穂ノ目様にお仕えしております、紫水と申します!どうぞ、お見知り置きを!」
『いきなり喋らないの!!』
私は紫水の頭に優しめにチョップをかます。
全く……。いきなり喋ったらびっくりするだろうに…。
「へぇ。ニャンコ先生と同じ感じなんだな。でも、ニャンコ先生とは違ってスマートだ。」
「穂ノ目さん…!その、もふもふしてもいい……?」
『え?全然構わないけど。』
そう言った瞬間にはもう、紫水は多岐の腕の中にいた。
素早い…!!
まぁ、基本的に紫水は人好きだから大丈夫よね。害は無いはず。
「田沼様に多岐様でございますね?穂ノ目様をどうか、よろしくお願い致します。」
『紫水は私の親か。』
「家族でございます故。」
紫水曰く、この姿なのは田沼と多岐とも喋って見たかったらしい。それに、妖のままだと私と話せなくて嫌らしい。
可愛いわね。
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世界の髪飾り(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます!私も映画見てきました!父と母と3人で行きました!普段アニメを見ない母が見てみたいって言ってくれてすごく嬉しかったです!劇場でも夏目友人帳の世界を感じることができて感動しました! (2018年10月10日 20時) (レス) id: d6ecaec723 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - はじめまして!とても読みやすくて雰囲気もとっても好きです!これからも楽しみにしています!これからの更新もお待ちしております! (2018年9月20日 14時) (レス) id: 3cecd56ad6 (このIDを非表示/違反報告)
夏目大好きヤンデレ探偵 - とても続きが気になる (2018年8月17日 22時) (レス) id: 6cd51c2a27 (このIDを非表示/違反報告)
藍夜(プロフ) - 支葵美乃さん» わざわざコメント、ありがとうございます。オリフラ外したと思っていたので、指摘して頂きありがとうございます! (2018年5月24日 15時) (レス) id: 4ffe17b14f (このIDを非表示/違反報告)
支葵美乃 - 夏目友人帳、大好きなので読んでいてとても楽しかったです!更新、頑張って下さい!!あと、オリフラ外した方が良いと思います…。 (2018年5月24日 15時) (レス) id: 48e064e18b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍夜 | 作成日時:2018年5月23日 23時