穂ノ目友人譜【夏目友人帳】

田沼と多岐 ページ26

カマナの森に行った翌日、また普通に学校に行って楽しい生活を送る。


｢穂ノ目様。学校が楽しいようで何よりでございます。｣

『んー。ここは会ったことがないくらい、いい人達ばかりだからね。過ごしやすいよ。とても。』

｢左様でございますか。穂ノ目様がそのように思っておられるのでしたら、私も嬉しいです。｣


中庭の木陰に設置されているベンチに座りながら、本を読みつつ人型になった紫水と話す。

そういえば最近、猫の姿にならなくなったな。


｢穂ノ目様。あちらから夏目様がいらっしゃいますよ。｣


紫水が見つめている方を向けば、夏目が田沼や多岐と話しながら歩いてきた。


｢あのお二人、どこか雰囲気が違いますね。｣

『紫水もそう思う？私も会った時からそう思ってて。』


小声でそんなことを話していたら、すぐ近くに夏目達が来ていた。


｢穂ノ目。こんな所にいたのか。｣

『もしかして、私のこと探してた？』

｢ああ。今度皆で遊びに行こうってなって、それで穂ノ目も誘いに。｣

『私を？』


正直信じられない。こういったことには縁がなかったから。

あるとしたら、妖達の宴会に呼ばれるくらいかな。


｢女の子は私と笹田さん、それに穂ノ目さんしかいないんだけど、それでも良かったら一緒に行かない？｣

｢行ってみたらどうだ。穂ノ目。｣

『ニャ、ニャンコ先生！！？』


いつの間にか私の肩にはニャンコ先生が乗っかっていた。

田沼や多岐いるけどいいの！？喋っていいの！？


『ニャニャニャニャニャンコ先生！！！喋っていいの！？』

｢落ち着けこの馬鹿者！！田沼と多岐は私が妖であることは知っておる！｣

『そっかー…。なら良かった……ってえええええ！！！？？』


それってつまり、夏目が見えることを知っているってこと？二人は本当に何者なの！？


｢お、落ち着け穂ノ目！俺から話したんだ！｣

『そ、そうなんだね……。久しぶりこんなに叫んだよ……。』

｢もしかして、穂ノ目も見えるのか？｣


田沼にそう聞かれ、今更隠せるものじゃないと思いコクリと頷く。

すると、田沼と多岐は少しだけ笑みをこぼした。


｢そうだったのね！私達もそういうのは理解してるから、何か困ったことがあったら言ってね！｣

｢俺も、何か手伝えることがあったら言ってくれ。｣


話を聞いたところ、多岐は先祖が陰陽師みたいなことをやっていて、田沼はお寺の子らしい。


ここは妖について知る人が多いね。

けど、私の事はまだ全て話せないよ。

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