望まない結末 ページ5
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『彼女は、私も被害者だって言ったの。だから私は悪くないって。だとしても、私はそれで納得が出来なかった。私なら、実験を止められたはずだったんだから。
私はレベル6であることを隠さなきゃいけないから、普段は本来の力をそう易々と使えない。だから今更止めることだって、容易じゃなかった。
やりきれない気持ちを抱えたまま、私も少しは役に立ちたくて、その子に微力ながらも協力をしていた。
そうして最後には、実験は中止となった。私の弟のおかげでね。あの子は本当に、紛れもなくヒーローだった』
一人で行こうとする美琴ちゃんをボロボロになりながらも止めて、死にそうになりながらもアクセラレータを止めた。
何度も肝を冷やしたけれど、その姿がとてもかっこよかった。ヒーローというのは、正しく当麻のことだろうと思ったくらいに。
けど、それと同時に自分を責めた。
弟がこうも苦しんだのは、私のせいだと。
あの時止めれなかった、私のせいだと。
二人に何度も、何度も泣きながら謝った。そんな情けない私に、二人は優しく｢姉ちゃんのせいじゃない｣｢Aさんも、助けてくれてありがとう｣と言ってくれた。
それで私はその日から、もうこんな悲しいことが繰り返さないように、人を守るために力を使おうと心に決めた。目に映る人々を、救けるのだと。
それなのに＿＿＿＿
『私は＿＿＿私は！人を傷つけるために力を使ってしまった！もう誰も傷つけないって決めたのに……守るって決めたのに！！』
何が守るだ。何がヒーローだ。
私は当麻のようにはなれない。オールマイトのようになれない。出久や、勝己のようにはなれやしない。
どうしていつもこうなってしまうのだろう。
私は望んでいないのに。
こんなことをするために、私はこの力を手に入れたわけじゃない。
守るために手に入れたのに。どうして？
『一度ならず、二度も過ちを犯してしまった……もう…私には……皆と肩を並べる資格なんてないのよ……それに、こんな危ない力を持ってるんですもの……タルタロスに入れる方が安全だわ……』
手で顔を覆いながらそう呟く私の肩に、優しく誰かの手が置かれた。
顔を上げてみれば、オールマイトがとても優しい顔つきでこちらを見つめていた。そして次の瞬間、私は優しく抱きしめられた。
｢そんなことを言わないでくれ、上条少女。そんな悲しいことを、言わないでくれ｣
……どうして…あなたが泣きそうなんですか、オールマイト。
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藍夜(プロフ) - 綾さん» コメントありがとうございます。1から読んでくださったことに加え、面白いと言って頂けてとても嬉しい限りです。最近忙しさのあまり、更新が出来なかったのですが、だいぶ落ち着いてきたので更新をしていこうと考えております。今しばらくお待ち頂けると幸いです。 (2021年9月12日 20時) (
レス) id: 1084e77889 (このIDを非表示/違反報告)
綾 - もし、このコメントが目に留まっているのなら出来れば更新していただいたら嬉しいです。１から全て読んだのですがとても面白く、更新するのがきついのなら本当良いんですけど (2021年9月12日 19時) (レス) id: 38063781d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍夜 | 作成日時：2021年3月21日 17時
