2つ目のこと ページ2
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『まず1つ目の個性については今話した通り、前の能力と一緒ってだけの簡単な話。でも2つ目は少し複雑かも。
私が思うに、あれは｢神ならぬ身にて天上の意思に辿り着くもの｣となった私の姿』
｢｢神ならぬ身にて天上の意思に辿り着くもの｣…？｣
『学園都市が目指している、レベル6の先にある概念……。詳しいことは私も分からないけれど、そういうものが存在しているの。
あの時、私は多分オール・フォー・ワンから個性強化のようなものをされ、それがレベル6を超えた存在へと私を導いた』
あの感覚は、思い出す度に気持ちが悪くなる。それほどまでにおぞましく、不快なものだった。
『……意識はあった。暗く重たい雰囲気が漂った場所で、頭の中にずっと冷たい声だけが木霊していた。そしてそれは次第に、私自身の声に変わっていった。
いきなり視界が晴れたと思ったら……』
そこまで言って、私は言葉を失った。
思い出すだけでも辛い。望んでいたことではないとはいえ、私がやった事には変わりがない惨状。
自分の意思に反して動く体が怖くて、押しつぶされそうだった。
深く息を吐いて、絞り出すように声を発する。
『……必死に体を動かそうとして、何とか動いた時に私自身の腕を吹き飛ばした。そうすれば、もう攻撃をしなくて済むと思って。
そうしたら意外なことに、私の腕からは竜が姿を現して、何かを喰らい尽くしてくれた。
多分あのままだったら、神野どころか日本……いや、世界が終わっていたんじゃないかな』
それほど、｢神ならぬ身にて天上の意思に辿り着くもの｣は恐ろしいものだ。
もしも私の意識がなかったら。あのまま自我を保てなかったら。体を動かせなかったら。
そう考えるだけでも、恐ろしい。
『何で腕が生えているのかも、あの竜が何なのかも分からない。けどひとつ言えるのは、もう私はあの姿にはならないってことかな』
｢…それはどうしてだ？｣
『あの姿には、普通の人間が努力しただけじゃ得られないような力を、一気に流されたことが原因でなったんです。だから私が自力でああなることは、無いと言えるでしょう。
もしもその領域に自分が到達したとしても、私のキャパの問題で死ぬでしょうね。今回死ななかったことには驚きですが』
相澤先生にそう返しつつ、心の中で『あの実験さえしなければ』と付け加えた。
今回オール・フォー・ワンは捕まり、学園都市もない今、あの領域へ私を導く手段は完全に絶たれたと言えるしね。
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藍夜(プロフ) - 綾さん» コメントありがとうございます。1から読んでくださったことに加え、面白いと言って頂けてとても嬉しい限りです。最近忙しさのあまり、更新が出来なかったのですが、だいぶ落ち着いてきたので更新をしていこうと考えております。今しばらくお待ち頂けると幸いです。 (2021年9月12日 20時) (
レス) id: 1084e77889 (このIDを非表示/違反報告)
綾 - もし、このコメントが目に留まっているのなら出来れば更新していただいたら嬉しいです。１から全て読んだのですがとても面白く、更新するのがきついのなら本当良いんですけど (2021年9月12日 19時) (レス) id: 38063781d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍夜 | 作成日時：2021年3月21日 17時
