第四拾話 ページ44
それから御館様の元へと辿り着き、何用かと話を聞いてみれば、炭治郎や禰豆子ちゃんのことについて話を聞きたいとのことだった。
私は今まで共に行動してきて、見てきてことや感じたことなどを、事細かに御館様へと報告する。
それを、御館様は終始優しい笑みを浮かべながらお聞きになっていた。
「そうか。禰豆子は頑張っているんだね。そして、兄である炭治郎も。」
『はい。他の鬼とは明らかに違っています。きっとあの兄妹は、我々鬼殺隊の希望になってくれるでしょう。』
「ああ、私もそう思うよ。現に、鬼舞辻が初めて尻尾を見せたからね。これからも、二人を見守ってくれるかい?A。」
『もちろんです、御館様。』
そうして御館様との話も終わり、気がつけばもう日が沈みかけていた。
随分と長い間、御館様と話していたなあ。
御館様は禰豆子ちゃんや炭治郎を認めてくださっている。それは本当にありがたいし、嬉しいことだ。
でも、他の人達ははたして認めてくれるのだろうか。
特に柱の方々は、人一倍鬼を憎んでいる人が多いし、何より鬼は残らず滅するという信念のもと鬼殺を行っているわけだから、認めてもらうのにかなりの時間を要するだろう。
私や義勇さんが説得したとて、簡単には折れてくれない。それに何より、義勇さんは口下手だから、実弥さん辺りが怒ってしまいそう。
でも、柱の方々は優しい方ばかりだから、きっと炭治郎達のことを知って、関わっていけば、きっと認めてくださるに違いない。
そのためにも、私もたくさん炭治郎に協力しなきゃね。
そう決意を固めるのと同時に、御影が新たな任務を言い渡してきた。
それは隠の仕事で、那田蜘蛛山という所に行かなければならないらしい。
私は一度家に帰り、隠の黒子装束に着替えてから腰に刀を下げ、那田蜘蛛山の方角へと走り出した。
***
しばらく走り続け辿り着いた那田蜘蛛山からは、とても禍々しい雰囲気が漂っていた。
御影によると、どうやらここには十二鬼月がいるかもしれないとのことで、柱である義勇さんやしのぶさんが来ているらしい。
そして、その二人が向かうよりも前に、炭治郎達もこの山に入っているとの事だった。
あの三人は強いからきっと無事だろうけど、どうしても不安は拭いきれない。
十二鬼月となれば、彼らが今まで戦ったことのないほど強い相手だ。
どうか、無事でいて。
そう願いながら、私は那田蜘蛛山へと足を踏み入れた。
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masa - コスプレイヤーとして演じる程,隠がお気に入りです!闘える隠もいるはずと信じているので,この作品が大好きです!正に本編そのもの!東雲ちゃんも大好きです! (2021年1月7日 1時) (レス) id: 8a22c9168c (このIDを非表示/違反報告)
カナ - 無限列車編、楽しみです!煉獄さんンンンン!!!!!!!! (2021年1月6日 0時) (レス) id: 5eabcf99e7 (このIDを非表示/違反報告)
R_yomoya(プロフ) - めっちゃさいっこうです!無限列車編はどうなるのか…! 煉獄さん生存ifであることを祈っています…! (2021年1月5日 14時) (レス) id: 241a1cc2c3 (このIDを非表示/違反報告)
天深 - とても好きな作品でした(;_;) (2020年1月24日 16時) (レス) id: 456e47df85 (このIDを非表示/違反報告)
すンず - めっちゃ最高!!頑張って下さい!応援しています! (2019年10月25日 19時) (レス) id: 6823c0d55a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍夜 | 作成日時:2019年10月6日 13時