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第壱話 ページ5

隠としての仕事もないし、御館様から許しをもらっているため、今日は遠出をすることにした。


どうやら義勇さんが任務に出ているらしく、久しぶりに話もしたいし、お手伝いに向かおうかな。


『それでは御館様。行ってまいります。』

「ああ。気をつけて行ってくるんだよ。」

『はい。』


御館様に礼をして、私は産屋敷邸をあとにした。


この前遠出した時は、珠世様に会いに浅草まで行ったなぁ。

珠世様と愈史郎は元気だろうか。


帰りにでも浅草に寄ってみようかな。長期にはなるけど、ちゃんと鬼殺隊の仕事もするし大丈夫。


……義勇さん、どこまで行ってるのかな。


『ねぇ御影。義勇さんがいる場所知ってる?』

「俺二知ラナイ事ハナイ!」


そう言って方角を教えてくれる、私の鎹鴉の御影。

んー、そこそこ距離はあるけど、まあ急げばすぐかな。


義勇さんとはここ最近会っていなかったし、早く話がしたいため、無意識のうちに移動速度が早くなっていた。


すると、御影に案内された場所にはあっという間に着いてしまった。


『……飛ばしすぎたかなぁ…。まだ夜でもないし、義勇さんは多分暇してるよね。』


……でも、どうやって探そう。犬みたいに鼻が利くわけでもないし、探すのには手間がかかりそう……。

今は朝方だから、人通りも少ない……。


…それなら、この辺りの記憶の中に、義勇さんがいるかも。


そう思い手当たり次第に触れていけば、義勇さんが近くの山に入っていくのが見えた。


あそこか。よし、あとは山の木達の記憶を見て探してこう。


そうして山の中へと足を踏み入れて、木の上を飛び移りながら義勇さんの元へと急ぐ。


すると、ある一点に色んな色が集まっていた。


一つは義勇さんの色だ。


他の二つは一体誰の?


……一つは、鬼の色。だけど、少し他の鬼とは違う……?それに、何か悲しい色も混じってる…。


もう一つは優しくて、暖かい色。何もかもを包み込むようなその色に混じって、濃い悲しみの色も見える。

…一体何をしてるの、義勇さん。


その場に近づくにつれて、木からは義勇さんが来る前の記憶も見せてくれるようになった。


……鬼になってしまった妹を、助けようとする兄。

兄は必死に妹に呼びかけていて、何としてでも助けたいのだろう。


……痛いほどわかるよ、その気持ち。
私もそうだったから。


「生殺与奪の権を他人に握らせるな!!」


私がその場の一番近くの木に着いた時、そんな義勇さんの声が響いた。

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masa - コスプレイヤーとして演じる程,隠がお気に入りです!闘える隠もいるはずと信じているので,この作品が大好きです!正に本編そのもの!東雲ちゃんも大好きです! (2021年1月7日 1時) (レス) id: 8a22c9168c (このIDを非表示/違反報告)
カナ - 無限列車編、楽しみです!煉獄さんンンンン!!!!!!!! (2021年1月6日 0時) (レス) id: 5eabcf99e7 (このIDを非表示/違反報告)
R_yomoya(プロフ) - めっちゃさいっこうです!無限列車編はどうなるのか…! 煉獄さん生存ifであることを祈っています…! (2021年1月5日 14時) (レス) id: 241a1cc2c3 (このIDを非表示/違反報告)
天深 - とても好きな作品でした(;_;) (2020年1月24日 16時) (レス) id: 456e47df85 (このIDを非表示/違反報告)
すンず - めっちゃ最高!!頑張って下さい!応援しています! (2019年10月25日 19時) (レス) id: 6823c0d55a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:藍夜 | 作成日時:2019年10月6日 13時

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