第廿陸話 ページ30
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「戻りました。」
「この口枷のせいかもしれない!これ外した禰豆子を一度見てもらいたい!!」
『よしなよ炭治郎…もういいよ……。』
炭治郎を止めるのに疲れ果てたところで、珠世様のいる屋敷へと辿り着いた。
久しぶりに来たけれど、愈史郎の血鬼術は相変わらず凄いなあ。
「あら?Aさんも一緒だったんですね。」
『あ、はい。お久しぶりです、珠世様。あの、何があったのかお話願えますか?私状況がわかっていなくて…。ここに来るまで、説明も何も無かったものですから…。』
そう言えば、珠世様は快く何があったのかを話してくれた。
まさか炭治郎が鬼舞辻と遭遇していただなんて……。大きな騒ぎにならなくて良かった…。
でも、人を一人鬼にしていくだなんて、鬼舞辻め…どこまで最低な野郎なんだ……!!
『じゃあ、そこにいる女の人は…。』
「はい。鬼にされた方のご婦人です。ご主人は気の毒ですが、拘束して地下牢に。」
「……人の怪我の手当をして、つらくないですか?」
優しさから炭治郎がそう聞けば、愈史郎が思いきり炭治郎の胸を殴った。
また暴力…珠世様のことになるとすぐこうだ…。
「鬼の俺たちが、血肉の匂いに涎を垂らし目耐えながら、人間の治療をしているとでも?」
「よしなさい。なぜ暴力を振るうの。名乗っていませんでしたね。私は珠世と申します。その子は愈史郎。仲良くしてやってくださいね。」
仲良くは…難しそうだけど……。
ちらりと愈史郎を見れば、炭治郎をすごい目付きで睨みつけていた。無理ね、これは。
「つらくはないですよ。普通の鬼より、かなり楽かと思います。私は、私の体を随分弄っていますから、鬼舞辻の呪いも外しています。」
「かっ、体を弄った?」
『人を喰らわなくても暮らせるようにしたんだよ。人の血を少量飲むだけで足りるんだって。』
「珠世様よりも先に説明するな!!」
そう言い終わるや否や、先程の炭治郎同様、私も思いきり胸を殴られた。
本当、愈史郎は珠世様のことになると見境ないんだから…!
「愈史郎!Aさんを殴るんじゃありません!」
「はい!」
……返事だけはいいんだから、まったく…。
痛む胸をさすり、愈史郎を少し睨めつけながら珠世様の後に続き奥へと入る。
「不快に思われるかもしれませんが、金銭に余裕の無い方から輸血と称して血を買っています。勿論、彼らの体に支障が出ない量です。」
だから珠世様からは、鬼特有の嫌な色がないのよね。
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masa - コスプレイヤーとして演じる程,隠がお気に入りです!闘える隠もいるはずと信じているので,この作品が大好きです!正に本編そのもの!東雲ちゃんも大好きです! (2021年1月7日 1時) (レス) id: 8a22c9168c (このIDを非表示/違反報告)
カナ - 無限列車編、楽しみです!煉獄さんンンンン!!!!!!!! (2021年1月6日 0時) (レス) id: 5eabcf99e7 (このIDを非表示/違反報告)
R_yomoya(プロフ) - めっちゃさいっこうです!無限列車編はどうなるのか…! 煉獄さん生存ifであることを祈っています…! (2021年1月5日 14時) (レス) id: 241a1cc2c3 (このIDを非表示/違反報告)
天深 - とても好きな作品でした(;_;) (2020年1月24日 16時) (レス) id: 456e47df85 (このIDを非表示/違反報告)
すンず - めっちゃ最高!!頑張って下さい!応援しています! (2019年10月25日 19時) (レス) id: 6823c0d55a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍夜 | 作成日時:2019年10月6日 13時