演習試験当日 ページ46
そして迎えた演習試験当日。
私達はバスの前に集められていた。
……いや、先生多くない？今からすごく嫌な予感がするですけど……。
｢諸君なら、事前に情報仕入れて何するか薄々わかってるとは思うが…｣
｢入試みてぇなロボ無双だろ！！｣
｢花火！カレー！肝試ー！！｣
｢残念！！諸事情あって今回から内容を変更しちゃうのさ！｣
そう言って相澤先生の捕縛用の布から顔を覗かせた校長先生。
いや校長先生。どんな所に入ってるんですか。
校長先生の言葉を受けて、喜んでいた二人は意気消沈してしまっている。
……ドンマイ、二人とも。ベストを尽くそうぜ。
｢これからは対人戦闘・活動を見据えた、より実戦に近い教えを重視するのさ！
というわけで…諸君らにはこれから、二人一組でここにいる教師一人と戦闘を行ってもらう！｣
先生方と……不幸だ……。しかも一人余るじゃん…その人どうするのよ……。
｢尚、ペアの組と対戦する教師は既に決定済み。動きの傾向や成績、親密度………諸々を踏まえて独断で組ませてもらったから、発表してくぞ。｣
先生が決めてるならまだいいか……？
でも、二人一組が原則なら一人余るのはどうするんだろう？だって、一人二回やる人が出たらその人が大変だもの。
一人首を傾げている中で、ペアが発表されていく。
でも、あるひとつのチームが発表された時、私は耳を疑った。
｢緑谷と爆豪がチーム。で…相手は＿…｣
｢私がする！協力して勝ちに来いよ、お二人さん！！｣
いやエグい。
え？親密度とか言ってたよね？親密の文字がひとつも感じられない二人にするの？
私より不幸じゃん。主に出久。
勝己と出久、ちゃんと仲良くやれるのかな……ってか、"協力して勝ちに"って言ってたけど、絶対勝己は協力しないだろ。私には分かる。
やばい、誰か胃薬ください。
幼馴染のおかげで胃が死ぬ。
……って、あれ？もう先生全員呼ばれたのに、私の名前呼ばれてない…。
｢最後に上条。お前の個性ははっきりとしたキャパがわからん。お前自身もよくわかってないだろ。｣
その言葉に、私は反論が出来なかった。
つまり、図星である。
正直感覚が学園都市と同じだったから、キャパを生まれてこの方意識したことがなかった。
｢そこで、お前にはこの試験を通してキャパを把握してもらうために、別日に教師陣全員と闘ってもらう。｣
え。マジで？
『ふ、不幸だ……。』
そんな私の掠れた声が、その場で静かに響いた。
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作者名：藍夜 | 作成日時：2019年1月19日 23時
