出久からの送信 ページ30
私の退院の関係や、親子の来訪があったおかげで、午後になってから保須市に着いた。
いやー、本当に申し訳ないことをしたな。もう少し煙を吸わなかったり、早く誘導できたら良かったんだけだね。
それは今後の課題かな。
そんなことを考えながら、パトロールを続ける。
エンデヴァーといるだけで、人の目が集まるのは凄いわね。
しばらく何事もなく、日も落ち始めた頃。
事件は起こった。
どこかから爆発音が聞こえ、煙が上がる。
急いでそっちの方向へと走っていけば、脳無らしき姿が見える。
あの時の脳無とは少し違う…？他に似たようなのが何体もいるってこと？あんなでたらめな力を持った奴が？
……考えるよりまず行動。
このままじゃ、街やヒーロー、人々が危ない。
私達がすべきは、まずは避難誘導の手伝い。それをしてから、ヒーロー達に応戦だ。
『轟君！ここはヒーローに任せて、私達は誘導手伝うよ！』
｢ああ。｣
それから警察に混じり、避難がしやすいよう指示を飛ばしながら手伝っていると、携帯が音を立てる。
携帯を取り出し確認すれば、出久から位置情報だけが一括送信で送られてきた。
どうして位置情報…？これって路地裏よね…。
出久は意味なくこういうことをする子じゃない。彼に何かあったということか。
路地裏……しかも保須のと言ったら、事件関係だとヒーロー殺しだ。
この脳無といい、もしかしたらヴィラン連合と繋がりがあるのかもしれない。
応援呼べってことでしょ。分かったよ出久。
轟君もそれを見たらしく、目配せをして他のヒーローにこのことを伝えてから、二人してその場所へと走り出す。
そもそも何故出久がここにいるのか。
たまたま通りかかったにしろ、路地裏なんかに入りはしないだろう。
既にヒーローが狙われていた？いやでも、それなら個性の速さで抱えて逃げれる。
最低でも二人以上は負傷者がいるか……？
何か……何かが引っかかる……なんだ……？
ヒーロー殺し……保須……？
っ……！飯田君！！
もしそこに飯田君がいるのなら、彼は復讐に走っているはずだ。
それが現実であれば、飯田君も危ない。
私達がやっと目的地を探し出して到着した時、飯田君にヒーロー殺しが近づいていた。
私は氷、轟君は両方を使ってヒーロー殺しを離れさせる。
｢次から次へと…今日はよく邪魔が入る…。｣
『出久、こういうのはもっと詳しく書くべきね。』
｢ああ、まったくだ。遅くなっちまっただろ。｣
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作者名：藍夜 | 作成日時：2019年1月19日 23時
