大切な弟 ページ16
……あー……やっぱり、こっちに戻ってきたか。
私の目には、見覚えのある当麻の家の天井が映っていた。
少し首を横に向ければ、インデックスがスフィンクスと遊んでいる。
『よっと。』
｢お、姉ちゃん起きた？じゃあ飯にするか。｣
『え？起きるの待ってたの？起こせば良かったのに。インデックスもお腹空くだろうし。』
｢インデックスは先食べたからいいんだよ。ほら、食おうぜ？あ、持ってくっから姉ちゃん座ってて。｣
そう言って台所へと行く当麻。
いつの間にか抜かされていた身長も、全てが愛おしい存在。
大好きで、大切な弟のその姿。
それを見れるのは、残り2週間。その2週間のうちで、何ができるのか。
｢お待たせ。さ、食うか。｣
『うん。いただきます。』
そして二人で楽しく食事をし、姉兄仲睦まじく話に花を咲かせた。
楽しそうに日常を話す当麻の顔は、やはり愛おしい。
ついつい身を乗り出して、当麻の頭を撫でてしまった。
｢なんだよ姉ちゃん！今日はやたら撫でてくるな…。｣
『んー？姉ちゃんは当麻が大好きだからねー。可愛い可愛い！』
｢あー！当麻だけずるい！私もー！！｣
『おいでインデックスー。』
そうやってわちゃわちゃして過ごし、気がつけば夕方。当麻が買い出しに行くらしく、私も帰りがてら着いていくことにした。
しばらく歩いていると、途中見知った茶髪の女の子がいた。
｢お、ビリビリじゃん。｣
『やっほー美琴ちゃん！』
｢ビリビリじゃない！御坂美琴！！凍華さん、どうも。｣
ビシッと当麻に指を指しそう言い放ったあと、美琴ちゃんは丁寧に私に挨拶をしてくれた。
ああ、やっぱりいい子だなぁ。
｢これからどこか行くんですか？｣
『私は家に帰るとこ。当麻は買い物だよ。美琴ちゃんは？』
｢黒子を待ってるんです。迷子の子を届けに行ってて。｣
『あらあら、仕事熱心ねぇ。それじゃあね。』
そう言って、手を振りながらまた歩き出した。
あー、黒子に会えなかったのは少し残念かなぁ。ま、あと2週間はあるしそこで時間作って会うか。
当麻と話しながら歩いていたら、いつの間にかアパートに着いていた。
『あれ？スーパーに行くはずじゃ？』
｢姉ちゃん抜けてるから、送ってやったの。｣
『優しすぎて姉ちゃん泣いちゃう。ありがとうね。近いうちに、また遊びに行くね！』
そう言ってお互いに笑いあった後、当麻を見送り私は中に入る。
そしてベッドにダイブした瞬間に、また意識が飛んだ。
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作者名：藍夜 | 作成日時：2019年1月19日 23時
