33話 ページ34
トウマside
ミスズ「…トウマ、起きて?」
トウマ「…ぅ…?」
あれ?黒板に書いてたさっきの数式が消えて別の問題が…?
そこでわかった。僕は居眠りをしてしまったのだと。
トウマ「ありがとう…」
ミスズ「ふふ、いいのよ」
クスッと笑って、君は真っ直ぐ背筋を伸ばして前を向いた。
居眠りを見られるなんて恥ずかしい。君に見られたからか、以上に体温が上がる。
やがてチャイムが鳴って、それぞれがお弁当を取り出す。
ミスズ「トウマ、ちょっと人目のつかない場所に行かない?」
トウマ「え?」
───────
───
ミスズ「悪い事してるみたいで、何だかドキドキしちゃう」
トウマ「う、うん…。どうしてここなの?いつもなら花壇のある中庭なのに」
それが今日は人があまり通らない階段の踊り場だ。
ミスズとは違う意味合いのドキドキをしている気がする。
だって二人きりだ。人気の少ない場所で、気になる女の子と。
僕の胸中なんてまるで知らない君は優雅にご飯を口に運ぶ。
食べ終わった弁当箱を片付けたら、君が口を開いた。
ミスズ「…ねえ、術をかけてあげる」
トウマ「術?」
ミスズ「ええ、お詫びのようなものね」
気にしなくていいのに。
ヒヤリとした手のひらが僕のおでこに触れた。
爆発するみたいに体が熱くなる。
トウマ「…ぁ…」
まとわりつくようなダルさや眠気が取れていくのがわかる。
トウマ「…凄い、少しも眠くない!」
ミスズ「よかった。力加減が難しいからちょっぴり不安だったの」
安心したように笑みをこぼすミスズ。
ああ可愛いなあ。
トウマ「ありがとうミスズ!」
とびっきり笑って言ったら、ミスズは顔を赤くしてそっぽを向いた。
ミスズ「そんなに凄い事じゃないわ」
トウマ「そうかな?
ていうか、何で顔隠すの?」
ミスズ「〜〜〜いいでしょ!?ほら、昼休み終わるわよ!」
バッと立ち上がり、駆け出す君。
トウマ「ちょっ、待ってよ!僕、何か悪い事言ったかな!?」
ミスズ「そうじゃないわ!そうじゃないけど〜!!」
足速いな!?
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ayanyanm(プロフ) - エンマさん» 教えて下さり、ありがとうございます!訂正致します! (2018年10月23日 23時) (レス) id: c2c48d4c6b (このIDを非表示/違反報告)
エンマ - 読書が、読者になってますよ!! (2018年10月23日 23時) (レス) id: b6e961ac32 (このIDを非表示/違反報告)
ayanyanm(プロフ) - 月兎さん» コメントありがとうございます!主人公の正体を近々明かすつもりなので、どうか楽しみにしていて下されば嬉しいです!! (2018年10月6日 22時) (レス) id: c2c48d4c6b (このIDを非表示/違反報告)
月兎 - すっごく面白いです。主人公さんが気になります。更新頑張ってくださいね。 (2018年10月6日 22時) (レス) id: 77e594bc29 (このIDを非表示/違反報告)
ayanyanm(プロフ) - 大福さん» ありがとうございます!そんな事を言って頂けるなんて…!!光栄です!これからも頑張ります! (2018年9月9日 10時) (レス) id: c2c48d4c6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無彩色乙女 | 作成日時:2018年9月8日 23時