31話 ページ32
ミスズside
最高の気分だったのに。
ミスズ「…何、酒天童子？私に何か用かしら」
酒天「おや、随分釣れないな？
さっきの人間とはえらい差だな」
足元には、人間が作り出した星空。
冷たい風が頬を撫でる。
ミスズ「当たり前でしょ？次は何をするつもりかしら。また凍らせてあげましょうか」
酒天「おおっと…それは勘弁願いたい。貴女の氷は俺の炎をもってしても溶けるのに随分かかる」
ミスズ「なら消えて。貴方とこれ以上話していたら酒臭いのがうつるわ」
酒天「酷い言い種だ。…まあ仕方ない。昔、過ちを冒したのは俺だ。
今日は、貴女に忠告しておこうと思ってな」
ミスズ「…忠告？貴様のような下劣な妖怪が、私に？」
私を中心に、冷気が渦を巻く。
それは酒天童子の髪を凍らせる。
奴の頬を汗が流れる。
酒天「…おっと、少しからかいすぎたな…。
あの人間に、恋慕の情を抱いているだろう」
私の堪忍袋の緒が切れた。
爆発するように放たれた妖気は奴の下半身を凍らせ、その内の長く鋭い一本は、喉を突き刺そうとしていた。
酒天「…かはっ…」
ミスズ「トウマに手を出すな。
貴様も同じ目に遭いたいか、洞潔！！」
何も無い空間が揺れた。
ミスズ「気付かない訳無いでしょう」
洞潔「我が主から離れろ！…ッ！！」
ミスズ「まだまだ未熟な私にここまでだなんて…」
洞潔の首めがけて細い針を放つ。寸止めだけれど。
ミスズ「…で？何？」
酒天「…人間に恋をしても、苦しいだけだ、ぞっ…」
ミスズ「それは貴方が私のお母様に恋したから？貴方が苦しんだのは恋じゃなく、お父様と私の吹雪じゃなくて？お母様を取り込もうとした事、まだ許してないわ」
酒天「あの時は、本、当にすまなかった…。
だ、が、奴らは流れる時間が違う…」
ミスズ「黙れ」
酒天「寿命も短く、その命は儚い」
ミスズ「黙れ」
酒天「我らを、置いて逝く」
ミスズ「黙れ！！」
完全に凍った。
ミスズ「愚か者」
慌てる洞潔を尻目に、転移の術を使った。
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ayanyanm(プロフ) - エンマさん» 教えて下さり、ありがとうございます！訂正致します！ (2018年10月23日 23時) (
レス) id: c2c48d4c6b (このIDを非表示/違反報告)
エンマ - 読書が、読者になってますよ！！ (2018年10月23日 23時) (レス) id: b6e961ac32 (このIDを非表示/違反報告)
ayanyanm(プロフ) - 月兎さん» コメントありがとうございます！主人公の正体を近々明かすつもりなので、どうか楽しみにしていて下されば嬉しいです！！ (2018年10月6日 22時) (レス) id: c2c48d4c6b (このIDを非表示/違反報告)
月兎 - すっごく面白いです。主人公さんが気になります。更新頑張ってくださいね。 (2018年10月6日 22時) (レス) id: 77e594bc29 (このIDを非表示/違反報告)
ayanyanm(プロフ) - 大福さん» ありがとうございます！そんな事を言って頂けるなんて…！！光栄です！これからも頑張ります！ (2018年9月9日 10時) (レス) id: c2c48d4c6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無彩色乙女 | 作成日時：2018年9月8日 23時
