27話 ページ28
トウマside
ああ、嫌だな。
ミスズ「…ねえ、トウマ!」
トウマ「!何?」
振り返ると、顔を赤くした君が、胸元に何か握って僕を見ていた。
ミスズ「あの…私、携帯を買ってもらったの」
トウマ「へえそうなんだ。おめでとう、携帯デビューだ」
ミスズ「え、ええありがとう。
…それで、あの…」
期待してしまう。
、
、
ミスズ「…れっ連絡先、交換してくれないっ!?かしら…」
最後は小さくなったけど、聞き逃す事無く全て聞いた。
トウマ「うん。いいよ」
ミスズ「…!ありがとう!」
連絡先を交換する、ただそれだけだ。お互いのメルアドやL○NEID、電話番号は知っていた方が何かと便利。それだけだってわかってるのに。
トウマ「…うん、嬉しい」
こんなに幸せな気分になってしまう。
ミスズ「…!私も、嬉しい…!」
君は、本当に嬉しそうに笑った。
頬は赤く、瞳はキラキラ。口角が優しく上がって。
可愛い。
トウマ「さあ、早く帰ろう?君はこんなに美人なんだから危ないよ」
ミスズ「っ!?…まさか、貴方が女性の見た目を褒めるなんて思ってなかったわ。
…でも、ふふ。嬉しいわ。またね!」
ヒラヒラ手を振り合って、今度こそ別れた。
───────
───
液晶をじっと見つめる。
"九条 珠雪朱"。この名前と電話番号を何度も小さく呟く。
長い数字の羅列は、きっともう覚えてしまっている。
トウマ「…この感情の名前は、何ていうんだろう」
君を思うだけで幸せな気分になる。君の笑顔が一番輝いて見える。かと思えば、君が誰かと話している事に嫉妬する。君から目が離せなくなる。
土足で踏み入られたくない心の中をこんなにも乱されているというのに、全く嫌じゃない。
トウマ「(君ならわかるかい?ミスズ)」
疑問や謎は解決しないまま。だけど、どこか満ち足りた気分で眠りについた。
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ayanyanm(プロフ) - エンマさん» 教えて下さり、ありがとうございます!訂正致します! (2018年10月23日 23時) (レス) id: c2c48d4c6b (このIDを非表示/違反報告)
エンマ - 読書が、読者になってますよ!! (2018年10月23日 23時) (レス) id: b6e961ac32 (このIDを非表示/違反報告)
ayanyanm(プロフ) - 月兎さん» コメントありがとうございます!主人公の正体を近々明かすつもりなので、どうか楽しみにしていて下されば嬉しいです!! (2018年10月6日 22時) (レス) id: c2c48d4c6b (このIDを非表示/違反報告)
月兎 - すっごく面白いです。主人公さんが気になります。更新頑張ってくださいね。 (2018年10月6日 22時) (レス) id: 77e594bc29 (このIDを非表示/違反報告)
ayanyanm(プロフ) - 大福さん» ありがとうございます!そんな事を言って頂けるなんて…!!光栄です!これからも頑張ります! (2018年9月9日 10時) (レス) id: c2c48d4c6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無彩色乙女 | 作成日時:2018年9月8日 23時