24話 ページ25
ミスズside
月曜日の校門で、意中の方に会った。
ミスズ「…あら、おはようトウマ」
トウマ「あ、おはようミスズ」
何だかツイてる、と思った。
トウマ「昨日、ナツメ達と出掛けたんだって?楽しかった?」
ミスズ「ええ!初めての事ばかりで楽しかった!
ところで、どうしてその事を知ってるの?」
この事は、3人しか知らないはず…。
トウマ「うん、ナツメがL○NE送って来た」
ミスズ「へえ、そうなの」
L○NEの事は私も知っている。連絡アプリの1つで、メールよりも簡単にやり取りが出来るもの。
ミスズ「(へえ、トウマとナツメは連絡先交換してるの。へー、そうなの。へー…?)」
トウマ「?どうかした?何だか晴れない顔だけど…」
ミスズ「えっ!?…あ、昨日遊び過ぎてまだ疲れてるのかしらっ?」
無理に笑ってみせる。
トウマ「そっか、良かった。何か嫌な事言っちゃったのかと思ったよ」
ミスズ「ぅっ…そんな事無いわ。さ、行きましょ」
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恥ずかしい。
連絡先を二人が交換してた事も、私がそれを知らない事も何も誰も悪くないのに、勝手にヤキモチ妬くなんて。
唯一悪いというなら、携帯を持たず霊的な通信手段しか取らない私なのに。
ミスズ「…ふぅ…」
頬杖をつき、少し目を伏せた。
「ああ、憂いだ表情がここまで美しいなんて…」
「今が月夜の晩なら、どれ程映えるんだろう…!」
普通に悩んでるだけなんですけど。
人が思い悩む姿すらそんな風に囃し立てるなんて。…人じゃないけど。
眉間の皺が深くなるのがわかる。
やがてチャイムが鳴って、お昼休みの始まりを告げた。
ミスズ「トウマ、私今日はお弁当ナツメ達と食べるから」
トウマ「わかった」
「トウマー」
「俺達と一緒に食おうぜー」
トウマ「今行く!じゃあまた後で」
ミスズ「ええ」
男子達に呼ばれた時、いつもよりくだけた表情だった気がする。
同性の友人がいる事はとても良い事。なのに、そんな事にすら複雑なもやを抱いてしまった。
あの嬉しそうな笑顔が忘れられないまま、足早に友達の元へ向かった。
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ayanyanm(プロフ) - エンマさん» 教えて下さり、ありがとうございます!訂正致します! (2018年10月23日 23時) (レス) id: c2c48d4c6b (このIDを非表示/違反報告)
エンマ - 読書が、読者になってますよ!! (2018年10月23日 23時) (レス) id: b6e961ac32 (このIDを非表示/違反報告)
ayanyanm(プロフ) - 月兎さん» コメントありがとうございます!主人公の正体を近々明かすつもりなので、どうか楽しみにしていて下されば嬉しいです!! (2018年10月6日 22時) (レス) id: c2c48d4c6b (このIDを非表示/違反報告)
月兎 - すっごく面白いです。主人公さんが気になります。更新頑張ってくださいね。 (2018年10月6日 22時) (レス) id: 77e594bc29 (このIDを非表示/違反報告)
ayanyanm(プロフ) - 大福さん» ありがとうございます!そんな事を言って頂けるなんて…!!光栄です!これからも頑張ります! (2018年9月9日 10時) (レス) id: c2c48d4c6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無彩色乙女 | 作成日時:2018年9月8日 23時