22話 ページ23
ミスズside
ショッピングモールを出て、海沿いのカフェの近くを歩く。
ナツメ「あ〜楽しい!」
アヤメ「だけど、ちょっと歩き疲れちゃったかな」
ミスズ「少し休憩しましょうか」
手近なベンチに座る。
ナツメ「あっ。私飲み物買ってくる!」
アヤメ「じゃあ私も!ミスズ様は?」
ミスズ「う〜ん…私は席を守ってるわね」
ナツメ「あははっ。じゃあ行ってくるね!」
軽く手を振って、顔を正面に戻す。
空が青い。
ああ、こうやって誰かと遊ぶ日が来るなんて。
耳を塞いでも聞こえる。
子供達の声。車の走る音。大人の女性の華やかなハイヒールの靴音。朗らかに笑うカップルの笑い声。老夫婦の優しい話し声。
ミスズ「(こんなに賑やかだったのね。…130年生きてきたのに、こんな事に気付かなかっただなんて)」
とんだ世間知らずだと、一人苦笑する。
後ろの女の子3人組…丁度、私達と同い年くらいの子達の話をなんとなく聞いた。
「わたし、レン君に恋しちゃってるんじゃないかなって…」
「え〜っ!!大人しいミカがあのうるさいレンに!?」
「てか、ミカちゃんが男の子に興味あったって事の方が意外〜」
恋。
花も恥じらう13歳達の話題は、聞いているこちらも照れてしまいそうだ。
「もう!男の子に興味とか、そんなんじゃないの!」
「好きになってるくせに!」
「彼はトクベツ〜的な〜?」
「うん!
…ほら、わたしって図書室が好きでしょ?」
「あ〜、ミカちゃん本好きだもんね〜」
「アタシは無理!あんな字ばっかの何がいいのかわっかんない」
多少脱線しかけながらも話は進む。
「それで、先週の金曜日の放課後に本棚を整理してた時にね、レン君が来たんだ」
「あのレンが〜図書室〜!?」
「似合わなっ」
「うん…。で、わたしの事手伝ってくれたの。
そしたらね、"誰に言われなくても率先してこんな事出来るのスゴいな!"って褒めてくれたの!」
「やだ〜も〜単純!」
「うちらだって褒めてるし手伝ってるじゃろ!?」
「そうだけど!そうじゃないの!
それ以来、どうしてもレン君の事が気になっちゃって…。彼の一挙一動に反応しちゃって…」
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ayanyanm(プロフ) - エンマさん» 教えて下さり、ありがとうございます!訂正致します! (2018年10月23日 23時) (レス) id: c2c48d4c6b (このIDを非表示/違反報告)
エンマ - 読書が、読者になってますよ!! (2018年10月23日 23時) (レス) id: b6e961ac32 (このIDを非表示/違反報告)
ayanyanm(プロフ) - 月兎さん» コメントありがとうございます!主人公の正体を近々明かすつもりなので、どうか楽しみにしていて下されば嬉しいです!! (2018年10月6日 22時) (レス) id: c2c48d4c6b (このIDを非表示/違反報告)
月兎 - すっごく面白いです。主人公さんが気になります。更新頑張ってくださいね。 (2018年10月6日 22時) (レス) id: 77e594bc29 (このIDを非表示/違反報告)
ayanyanm(プロフ) - 大福さん» ありがとうございます!そんな事を言って頂けるなんて…!!光栄です!これからも頑張ります! (2018年9月9日 10時) (レス) id: c2c48d4c6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無彩色乙女 | 作成日時:2018年9月8日 23時