16話 ページ17
ミスズside
ミスズ「こんにちは…って、あっつ！！
え、冷房壊れてるの？」
アキノリの部屋に集まって最初に思った事。
ムシムシする。何この不快な暑さ。
アキ「はい…エアコンが…。後ちょっとで業者の人が来てくれるはずなんですけど…」
ミスズ「歯切れが悪いということは…」
トウマ「この以上な暑さでフル稼働させられたエアコンがほとんど壊れちゃってるみたいで、到着が遅れてるんだ」
ミスズ「あら…私達妖怪は何ともないけれど、貴方達はそうじゃないでしょう？」
皆、顔色が悪い。ナツメとアヤメなんてグッタリしてる。
ケースケは、水筒の中身を一気に空けていた。
ミスズ「私が何とかしてあげるわ」
妖気を手のひらに集めて固めると、雪の結晶がふわんと浮かんだ。
それを部屋の中央に置く。途端に冷涼な空気が部屋を満たした。
ナツメ「…あれ？涼しい…！！」
ミスズ「私は氷の妖術を使うのよ。これくらい朝飯前だわ」
トウマ「ありがとう！」
皆にお礼を言われて、六花の結晶が誇らしげに輝く。
ミスズ「他の皆にもあげる。これ一つで1ヶ月は持つわよ」
トウマ「すごい。綺麗な力だね」
真っ直ぐ言われて、少し胸が締め付けられる感覚にとらわれる。
ミスズ「っ！そうでしょう？お父様から受け継いだ力だもの」
少しむず痒い。何これ？
ナツメ「そういえばお父さんが妖怪なんだよね。犬神ってどんな妖怪なの？」
少し混乱した私を、ナツメが救ってくれた。
ミスズ「犬神は、九尾の狐と同じ感じかしらね。五穀豊穣だったり、縁結びだったりを司ってるわ」
アヤメ「ミスズ様のご両親、さぞかしお美しいんだろうなあ…！」
ミスズ「ふふっ…。自慢の両親よ。出会った頃からずっとラブラブらしいわ」
まあ、時々恥ずかしいけど。
いつか家に招待したいな…。
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────
夜、自室のベッドに寝転がりながら物思いにふける。
腕を上げ、指先に、雪の結晶を発生させる。
ミスズ「…綺麗な力、か…」
この言葉を思い出すと、胸の辺りが何だかあたたかくなる気がする。
少しむず痒い幸福感に包まれた気分。
生まれて初めての感情に、戸惑った。
なのに、不思議と嫌じゃない。
ミスズ「…なんなのよ…？」
疑問は、夜明けまで考えても晴れなかった。
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ayanyanm(プロフ) - エンマさん» 教えて下さり、ありがとうございます！訂正致します！ (2018年10月23日 23時) (
レス) id: c2c48d4c6b (このIDを非表示/違反報告)
エンマ - 読書が、読者になってますよ！！ (2018年10月23日 23時) (レス) id: b6e961ac32 (このIDを非表示/違反報告)
ayanyanm(プロフ) - 月兎さん» コメントありがとうございます！主人公の正体を近々明かすつもりなので、どうか楽しみにしていて下されば嬉しいです！！ (2018年10月6日 22時) (レス) id: c2c48d4c6b (このIDを非表示/違反報告)
月兎 - すっごく面白いです。主人公さんが気になります。更新頑張ってくださいね。 (2018年10月6日 22時) (レス) id: 77e594bc29 (このIDを非表示/違反報告)
ayanyanm(プロフ) - 大福さん» ありがとうございます！そんな事を言って頂けるなんて…！！光栄です！これからも頑張ります！ (2018年9月9日 10時) (レス) id: c2c48d4c6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無彩色乙女 | 作成日時：2018年9月8日 23時
