17 HS ページ17
ｰホソクｰ
偶に、本当に偶に。
テヒョンが"誰か"の存在を匂わせてくる。
TH「ただいまー。」
「お帰り。こんな真夜中にどこ行ってたの？」
TH「んーと、ドライブですよ〜。」
「ふーん。」
なんか踊り足りないって思ったから、事務所で遅くまで残っていた。
満足行くまで踊って、家に帰ってシャワーを浴びて。
さあ、寝ようかと思ったときにテヒョンが帰ってきたんだ。
「1人？」
TH「1人ですよ〜。」
ふわぁ、と大きな欠伸をして自室に向かう彼の背中を見つめる。
女性の影が見えるわけじゃない。
誰かと頻繁に連絡をとってる風でもないし、夜中にこうやって宿舎を抜け出すこともほとんどない。
それに、そんなことしたら今の俺達には致命的だってちゃんとわかってる男だ。
でも、極偶に。彼は気付けばいなくなっていることがある。
上手く言い表せないけど、何となく、その時のテヒョンはテヒョンじゃない気がする。
自分の世界に入り込んで、びっくりするくらい穏やかな、優しい表情で。
TH「ヒョンー俺シャワー浴びても良いですかー？」
「うん、換気扇だけ回しときなよ〜。」
TH「はーい。」
俺達のテヒョンじゃない。
"誰か"のテヒョン。
それが悪いとは言わない。
家族に知られたくない、触れられたくないことがあるのと同様、メンバーに知られたくないこと、触れられたくないこともあるだろう。
でも、例えば。
TH「じゃシャワー行きまーす。ホソギヒョンおやすみ。」
「おやすみ。朝ちゃんと起きなね。」
TH「頑張ります。」
「…、」
すれ違ったとき、ふわりと香る"誰か"の香水の匂いとか。
楽しそうな横顔とか。
夜中なのに鼻歌がすごいとか。
些細なことだけど、全部、何かを物語っているような気がして。
"誰か"の存在を思わせて。
少し、モヤモヤする。
「テヒョン、」
TH「んー？ヒョンなあに？」
でも、どうしてか聞いたらいけないような気がする。
聞くなと、言われているような気がする。
「……ドライブ楽しかった？」
TH「うん。
………すっごく楽しかった。」
「そう、良かったね。」
だから、テヒョン。
俺はまだ気付いてない振りをしてあげる。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 979人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あやテテ(プロフ) - すあさん» お返事が遅くなり申し訳ございません。嬉しいお言葉ありがとうございます😭長く読んでいただけること、大変嬉しく思います！またいつでも物語の世界に足を運んでください。コメントありがとうございました。 (8月9日 19時) (
レス) id: 04319824fe (このIDを非表示/違反報告)
すあ - 久しぶりにこの作品に戻ってきました。私が占ツク内で一番好きな作品です。何回読んでも涙涙、、、最高です😭👏🏻✨ (7月25日 19時) (レス) @page1 id: dd9a60ddca (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あやテテ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ayatae00/
作成日時：2021年10月10日 23時
