最凶のヴィラン大航海時代にトリップしました2 (ページ4)

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第52話ページ4

まずは骨から、黒炎で背骨、肋、脊髄と形どっていく。次に肉付け、外側はある程度の衝撃を耐えられるよう弾力が出るように黒炎を張る。そして最後に臓器、血管、神経と1つ1つ繋げていく。
単純に見えて、とんでもない集中力が必要なこの作業。更にちゃんとした医学の知識がないと、とても真似出来ない芸当だ。
どこにも問題がないことを確認し、大きく息を吐き出した。こんなに集中したのは久々だ。
しかしまだ最後の工程が残っている。両手に黒雷を纏わせ、電流を調節する。そして火拳の体に手を当て、電流を流した。そう、簡易AEDだ。

しばらく続けていると、そのうち俺の掌に鼓動が戻り、心做しか火拳の顔色が良くなってきた。そして...

「ｺﾞﾎｯ...ｶﾋｭｰ、ｶﾋｭｰ」

「「「「「！！！！？」」」」」

血を吐き出したと同時に呼吸をし始めた火拳。それに気づいた不死鳥達が目を見開き、俺を押しのけて火拳を囲んだ。

「！ほんとに心臓が動いてるよい！！」

「嘘だろ、エース！！」

「エース！！」

『細かい傷は詰めてねェ。それに、今こいつは血が足りてねェ状態だ。早く輸血しねェとまた死ぬぞ』

特に汚れてもいない服を払いながら不死鳥達にそう伝えると、不死鳥達はバタバタと動き始めた。俺はそんな奴らを近くの切り株に座って眺める。

「！S型の血液パック持ってこいよい！」

「これだ！」

そんな時、十二番隊の隊長がこんな事を零した。

「ねぇ、オヤジも生き返らせれないの！？」

「「「「「！」」」」」

『.....無理だな』

「なんでだよい！」

『お前らは自分の親の思いを、踏みにじるのか？』

「っ！」

『今ここで白ひげを生き返らせたら、白ひげは本当に敗北者になるぞ』

まァ、そんなのしったこっちゃねェがな。

「「「「「..........」」」」」

『んじゃ、俺はそろそろ戻らせて貰うぜ』

「！待つよい！」

そろそろマリンフォードに戻ろうと腰をあげると不死鳥に引き留められた。

『なんだよ』

「あんた名前は！？」

『.....ユエだ』

「ユエ...あんたは俺らの恩人だ...！なにかあれば力になるよい！」

『.....そうか。まぁ、今んとこは何もねェから保留でたのむ』

「わかったよい」

『じゃ、俺はここらで』

「またね！ユエ！」

『.....あぁ』

お前ら仮にも敵だった俺に懐きすぎでは？？