第5話 ページ7
宿儺「小僧!舐めるのも大概にしろ!」
一瞬、時が止まる。
一拍遅れて伏黒が叫んだ。
伏黒「まずいっ、宿儺が出てきた!」
恐ろしいほどの怒り、いや、呪いで宿儺が虎杖と切り替わったようだ。
よく見ると、虎杖の身体に文様のようなものが浮かび上がっている。
『へぇ……虎杖、聞こえてる?10秒で戻っておいで。それまでならここでも大丈夫だから』
伏黒「何言ってんだ!ここで暴れられたら被害が……」
宿儺「安心しろ、小僧。お前だけをなぶり殺してやる。ケヒヒッ!」
ヒュンッ
突然、宿儺の姿が消える。
かと思えば、俺の目の前にいた。
拳を握りしめ、不気味な笑みを浮かべている。
宿儺「死ね」
無情にもその拳が俺に向かって振り下ろされる。
『……お前がな』
ザシュッ ブシュッ
俺を殴ろうと動いた腕が切り落とされる。
宿儺は一瞬驚いたように目を見開いたが、すぐさま再生し、今度は蹴りを入れようと動いた。
ヒュンッ ブシャッ
宿儺の足が地面に落ちる。
思わず宿儺も動きを止めた。
足はすぐに再生するが、その顔は驚きと屈辱で歪んでいた。
『……学習しないなぁ』
宿儺「……小僧、何をした?」
『フフッ、指2本ぶんだと知能も足りないのかな?それとも、呪力が無い奴とは戦ったこと無い?』
宿儺「質問に答えろ!」
もう一度プレッシャーが放つ。
普通の人間ならそれだけで精神が破壊されるだろう。
ま、俺はそうはいかないけど。
『……呪血・紬糸。ちょっとした手品さ』
俺の指先から血が滴り落ちた。
宿儺「くだらない真似を……!」
宿儺が一直線にこちらに向かってくる。
五条「5、4、3……」
五条先生のカウントダウンが始まる。
なんだ、もう終わりか。
『呪血・鳥籠』
俺の血液が中央に集まり、籠のように複雑に絡み合った糸に変わる。
呪血・鳥籠は最高強度の糸を血液で生成する。
攻撃範囲が広く、どこにでも出すことが出来る。
何より呪血・紬糸との違いは強度だけではない。
呪血・紬糸はただの血の糸をムチのようにしならせるだけ。
一方呪血・鳥籠はその名の通り相手が突っ込んできたときに覆いかぶさる籠となる。
迫りくる血液を並大抵の呪霊はかわすことができない。
五条「2、1、0!」
虎杖「……うわっ!?」
あ、本当に戻ってくれるんだ。
俺はギリギリで呪血を解除する。
虎杖「お、大丈夫だった?」
そこには至って普通の虎杖が立っていた。
11人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:亜叶緒夜鳴 | 作成日時:2024年3月16日 22時