第３２話 ページ35
キュインッ キュインッ
呪血・紬糸で銃弾を弾き落とす。
真依「チッ……」
木の上に女性。
あの人はこの前会った禪院真依という人。
それを確認すると同時に背後から刀を持った女性が斬りかかる。
虎杖「A！」
パンッ
『なっ……！？』
加茂「！？」
手を叩く音の直後、俺は木の上に移動する。
今のは術式か？
見ると加茂がさっき俺が立っていた場所にいた。
その背後に東堂が立つ。
２人は何かを話しているようだ。
『虎杖、俺はここから離れる』
虎杖「え？」
『恐らく奴らもここを引く。お前は作戦通り東堂の相手をしてろ』
虎杖「……わかった」
虎杖の雰囲気が変わる。
未登録の特級呪霊との闘い。
あのツギハギは虎杖にとって中々良い刺激だったようだ。
虎杖「大丈夫。俺はもう……負けない」
『……上等じゃん』
俺は木を伝ってその場から離脱。
後ろを追ってくるかと思ったが、その様子はない。
だったらさっき上にいた術師を叩くか……
伏黒「……落とせ！」
バリバリバリッ
電撃が空を走る。
伏黒の鵺だ。
俺はニヤリと口を元を釣り上げる。
開けた所に伏黒と加茂、真希さんと刀を持った女性。
名前は確か三輪霞。
呪具持ちは呪具持ち同士仲良くしてればいい。
俺は加茂に近づく。
『呪血・剛剣！』
加茂「！？」
血を帯びた刃が背後から加茂に襲いかかる。
加茂は間一髪で剛剣をかわし、俺の一撃は衣服の袖を斬り落とした。
俺は刃の先で加茂を指差す。
『お前、京都校のリーダーだろ？』
加茂「たがら何かな？」
『リーダーを叩けばチームは崩れる。これ基本』
それに、俺は同じ能力を持つ者として盗める分は盗みたい。
さあ、俺に見せてくれ。
ご自慢の赤血操術を……
加茂は血液の輸血パックを取り出した。
加茂「……赤血操術・苅祓！」
素早く弧を描いて飛んでくる血の刃。
なるほど、輸血パックで大量の血液を持ち運びね。
俺みたいに自分の中の血を使わないから貧血にもならないと。
『呪血・鳥籠！』
ザバッ
血の刃を血の糸で受ける。
加茂「なぜその力を……いや、別の術式か！」
『残念不正解。俺には呪力がありませーん』
伏黒「……建物の中におびき寄せるぞ」
確かに狭い場所なら俺達の方が有利だ。
だって加茂は弓持ってるし。
明らかに遠距離タイプだろ。
加茂「……何を考えているのかな？」
『ん？とりあえず……呪血・逐電』
続く
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作者名：亜叶緒夜鳴 | 作成日時：2024年3月16日 22時
